【今週の一枚】
Fink - The City Is Coming To Erase It All [R'Coup'd 2026]
英国Cornwall出身で現在はベルリンと倫敦を拠点に活動するFinkことFin Greenallによる2年ぶりの9thアルバム。
仏LyonのフィメイルSSWClaire daysのデビュー作および2ndでは演奏のサポートに加えプロデュースにミキシングと全面的なバックアップというべき仕事ぶりであったワケだけれど、自身の作品もコンスタントに発表し続けてくれているのは敬服に値するのでは。
1952年生まれの彼だが幼少の頃から様々な音楽に触れながら育ち、リーズ大学在学中にエレクトロニック・ミュージックやダンス・ミュージックに傾倒するようになりDJとして活動していた時期もあったようだ。
2000年代中頃になると彼の関心は伝統的な音楽に寄せられるようになり、現在のコラボレーターであるギタリスト兼ドラマーのTim ThorntonとベーシストのGuy Whittakerとのトリオ編成でアコースティック・ミュージックを追求した作品作りに邁進するようになった模様。
今作のインスピレーションにはヨークシャー出身のMichael ChapmanやJoni Mitchellが挙げられており、70年代のサウンドの感触に憧憬を抱きつつも、現代風の雰囲気や精神性を追求した音作りに成功しているように感じられた。
アルバムは柔らかな陽光を浴びているかのような感覚に陥る「Wishing For Blue Sky」で幕を開け、彼の麗しい美声とアコギのサウンドを堪能できる佳曲が続くが、ハイライトは中盤の「Memorise Your Senses」だ。
トライバルなリズム・ワークにのって紡がれる音のタペストリーは彼の真骨頂とは言えまいか。
作品のラストを飾る「Spirit Of Place」は唯一のインスト曲で往年のSongs: OhiaことJason Molinaを彷彿させるかのような幽玄美に溢れたトラックとなっている。














