【今週の一枚】
Nick Hakim - I Can See [Earseed Records 2026]
NYクイーンズを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリストNick Hakimによる4年ぶりの4thアルバム。
ブランクの間もAdrianne LenkerやKassa Overall等の作品に携わるなど音楽活動は継続していたようだ。
チリ人の母親とペルー人の父親を持ちコスモポリタンな側面を持つ彼、その音楽性もなかなかに形容し難い異形のものと言えるが、今作も正に一筋縄ではいかない仕上がりとなっている。
オルタナR&Bというカテゴライズが一般的になって久しいが、今回のアルバムをストーナーR&Bと評した記述を見つけ、ものすごく同意させられてしまった。
作品一枚を通じてスモーキーで霞がかった印象というか、酩酊した状態で鳴らされているような感覚に陥るが、細部に耳を傾けると実に緻密に計算された作りとなっているのは実に素晴らしいと思える。
スティーヴ・ライヒとテリー・ライリーからの影響を公言する彼、R&Bをベースにしつつも、ミニマリズム的なアプローチも随所に感じさせてくれる。
往年のトーチソング的な側面も感じられ、どこかノスタルジックなムードを醸し出しているのも味わい深い。
自宅のベッドルームで作品作りが始められ、テキサス州トルニージョのSonic Ranch やニューヨークの数々のスタジオでレコーディングが行われ、プロデュースはNick自身とDijon や Bon Iver等との仕事で名高いAndrew Sarloとの共同作業で行われた。
インパクト抜群で素晴らしいアートワークはデザイナーのArjuna Routte-Prieur と写真家の Jack McKainによって作成されたそう。














