【今週の一枚】
Nirosta Steel - MY SKYSCRAPER [ULYSSA 2026]
Nirosta SteelことSteven Hallはスコットランド生まれの米国人アーティスト。
1957年生まれの彼は15歳で渡米、70年代からNYのアート・シーンに深く関わり、多くの芸術家と交流を持ったが、なかでも故Arthur Russellとは特別に親しい関係だったようだ。
今作「MY SKYSCRAPER」は約40年にわたる彼の音源アーカイブから厳選した楽曲をULYSSAレーベルとの提携のもと再構築し一枚のアルバムにまとめあげた作品である。
最も古い楽曲は80年代に録音され、最も新しい「FIRST LOVE」は昨年レコーディングされたというから本当に長い時間の隔たりがあるし、録音スタイルもアナログ・カセットから最新のデジタル機器に至るまでかなりバリエーションに富んでいるが、不思議な程に統一感がある。
ヴァイナル版だと2枚組、全17曲収録時間83分の大作だが、全く長さを感じさせない。
ちなみにオープニング・トラック「English Party」は元々Madonnaのために書かれたそうだ。
M14「Mohn (Mandarin Version)」では曲中に突然京劇の歌が流れて驚かされるが、これは京劇歌手の洪秋鳳によるものでStevenは台湾と香港に在住した経験があり広東語で歌った作品をリリースした事もあるのだとか。
またタイにも縁が深くM16「Thaitanium」はバンコクで制作されたようで、正に流浪の吟遊詩人と呼ぶに相応しいと言えるだろう。
インタビューに応えて「69歳でポップスターになるなんて、ばかばかしくて面白い」と嘯く彼だが、実にクールだと思える。














