2026年3月27日金曜日

必ず











 

【今週の一枚】














Samm Henshaw - It Could Be Worse [Dorm Seven 2026]

サウス・ロンドン出身のナイジェリア系英国人シンガーSamm Henshawによる4年ぶりの2ndアルバム。

ソングライターにしてプロデューサー、マルチ・インストゥルメンタリストとして活動する彼、ヴォーカリストとしての力量は数多のソウル・シンガーのなかにあって突出していると言えるだろう。

Gospel、R&B、Bluesの影響色濃いその音楽性だが、実にオーセンティックなスタイルで、王道そのものである。

サウンド・プロダクションの完成度の高さは言うまでもないにしても、全曲アカペラで歌われてしたとしても、十分聴き応えがあるのではないだろうか。

オープニング・トラックの「Don’t Give It Up」から続く「Closer」と掴みは完璧で、「Sun and Moon」や「Get Back」といったトラックにも大いに感銘を受けた次第だ。

現在ワールド・ツアー中の彼、ここ日本から公演を開始したらしく、なんとワタクシの誕生日の1月27日のEX THEATER ROPPONGIが初日だったらしく、後から知って心底後悔しているが後の祭りである。

次来日したら必ず行くぞ。









2026年3月16日月曜日

怒涛














 

【今週の一枚】














Xavisphone - balança e paixão [Modern Love 2026]

xavisphoneことXavier Herreraによるデビュー・アルバム。

ドミニカ系とブラジル系の両親のもとに生まれた彼、ボストン郊外の出身で現在はマルセイユを拠点に活動している模様。

過去にはアリアナ・グランデやヴィンス・ステイプルズの作品に携わったキャリアの持ち主で、現在はメジャーのシーンから完全に決別し、2024年頃からsoundcloudに楽曲をUPし始めたところModern Loveレーベルの目に止まり今作のリリースに漕ぎつけたようだ。

何とも凄まじくカオティックなサウンドがアルバム全体を通じて展開されているが、「バイラファンキ」というカテゴリーに分類されるらしく、1980年代末にリオデジャネイロのファベーラ(貧民街)で生まれた音楽だそうでファンキ・カリオカ、ブラジリアン・ファンクとも呼ばれるんだそう。

全12曲で収録時間25分とかなり短尺な作品であるにも関わらず物足りなさは一切感じさせず、怒涛のビートに圧倒されまくり。

他に似たタイプのアーティストが全く思い浮かばないというか、こんな音楽初めて聴いたような気がしてしまう。

未確認生命体みたいな音楽家に出会ってしまった気分だ。







2026年3月9日月曜日

320



















 【今週の一枚】














threetwenty - Separate From The Noise [New Century Sound 2025]

threetwentyはナイジェリア系米国人シンガーIvana Nwokikeとスウェーデン人プロデューサーFilip Hunterによる夫婦デュオで今作がデビュー・アルバム。

二人が主宰するNew Century Soundよりリリースされた。

Ivanaは妹のJessicaとの姉妹ユニットVanJessとして活動していたキャリアの持ち主で、2018年にアルバム「Silk Canvas」を発表している。

threetwentyの名称は二人が出会ったのが2018年の3月12日であったこと、そして聖書のエフェソス人への手紙第3章20節に由来するんだそう。

90年代ネオソウルの影響色濃いR&Bサウンドは実にスイートなテイストで聴いていて本当に心地良い。

アルバムに先行して「Who Are You To Me」、「Let Me Grow」、「The Light (I Need You)」がドロップされておりこの3曲を含めアルバム全体を通してソング・ライティングの完成度が高いと思える。

ジャズ・ファンクやヒップホップからもインスピレーションを受けているそうだが、温かみを感じさせる独特のグルーブ感は実に格別なものと言えるだろう。







2026年3月2日月曜日

折紙












 【今週の一枚】














Kevin Atwater - Achilles [Mutual Friends 2025]

シカゴ出身で現在はNYを拠点に活動するSSW、Kevin Atwaterによるデビュー・アルバム。

アコースティック・ギターのフィンガー・ピッキングのサウンドを主体に流麗なストリングスが施されたり、往年のエモのバンドの数々を彷彿させるようなラウドなバンド・サウンドを展開している様は強烈な印象を残してくれる。

Queerとしてのアイデンティティを包み隠さず、リリックにも反映させた歌の数々は繊細かつ内省的で、癒しを感じさせてくれる。

Nick DrakeやJoni Mitchellへの憧憬を公言しAdrianne LankerやSufjan Stevensといったアーティストに強いシンパシーを感じるという彼だが、今年16年ぶりの来日公演を果たすKings of Convenienceなんかにも通ずる音楽性だと思える。

冒頭の「Threat」からして美しいとしか言いようがないが、続く「Jamie's Daydreams」の疾走感も格別だ。

「Origami Roses」もシンプルながらなんとも味わい深い楽曲となっており、ラストを飾るタイトルトラック「Achilles」のダイナミズムは感動的ですらある。

今作のプロデューサーはHazel Eyesが務め、全てのソング・ライティングをKevin自身がを手掛けた模様。