【今週の一枚】
Jules Reidy - Ghost/Spirit [Thrill Jockey 2025]
Jules Reidyはベルリンを拠点に活動するアーティスト。
非常に多作な彼女、これまでBlack TruffleやShelter Pressなど様々なレーベルから作品をリリースしてきたが、今作は名門Thrill Jockeyより。
アコースティック・ギターを主軸においたエクスペリメンタルな音響ポストロック的なアプローチといえば奇才Kaki Kingが連想されるが、音楽のベクトルは異なっている。
ドローン・ミュージック的な印象も感じとれるが、スロウコアの系譜にも連なるサウンドだ。
アルバムはスタジオでコラボレーターが一堂に会してセッションを行うという形は採らず、ドラム、チェロ、ベースといったインストゥルメンツは別々に収録したものを音源に、Julesが再構築するというユニークなスタイルが採用されている。
アルバム・タイトルのGhost/Spiritはそれぞれ同名のトラックが収録されているが、作品のハイライトは8曲目の「Every Day There's a Sunrise」だと思う。
ギターを携えた自身のポートレイトをアートワークに採用しているが、その佇まいが途轍もなくクールに感じられる。