【今週の一枚】
Boards of Canada - Inferno [Warp Records 2026]
スコットランドのMike SandisonとMarcus Eoinによる兄弟デュオBoards of Canadaの13年ぶりとなる5thアルバム。
全19曲収録時間1時間11分の大作だ。
長いブランクの間に幾つかのリミックス作のリリースがあったといえ、多くのファンにとって正に待望のカムバックと言えるだろう。
1998年のデビュー作「Music Has the Right to Children」でエレクトロニック・ミュージック界に登場した彼等、その独特な存在感は今もって健在である。
兄弟が幼少期を過ごした70年代の音楽やメディアに強くノスタルジアを感じているのは明白で、あえて使い古されたサウンドを再現するかの如くヴィンテージ・シンセを駆使して鳴らされる楽曲の数々は時としてオカルティックで呪術的かつ宗教的な響きを現出している。
アルバム一枚が絵画的でもあり、長編の映画を観ているかのような錯覚に陥ってします。
ちなみにBoards of Canadaという名前の由来は1980年ごろに建設業に従事していた兄弟の父親とともにカナダのカルガリーに住んでいた頃に彼等が観ていたドキュメンタリー映画やアニメーションを制作していた政府機関であるカナダ国立映画庁(National Film Board of Canada)にちなんで名付けられたそう。


