【今週の一枚】
Phoebe Bridgers - Lost Weekend [Dead Oceans 2026]
紛れもなくキャリア・ベストと言えるのでは。
カリフォルニアのシンガー・ソングライターPhoebe Bridgersによる6年ぶりの3rdアルバム。
ソロ名義としては久々のリリースとなるが、2023年にはJulien Baker、Lucy DacusとのユニットBoygeniusとしてデビュー・アルバムを発表、大いに好評を博したのは記憶に新しい。
コロナ初期の2020年にはThe Nationalのサポート・アクトとして来日する予定だったのがやむなく中止で悲嘆に暮れたものだったが、その後2023年2月にZepp DiverCityで初来日公演を観れたのは本当に素晴らしい経験だった。
さて正に待望の新作となった今作、エレクトロニカやアンビエント寄りのアプローチも感じられるが、彼女の音楽の根幹を支えるインディー・フォーク・スタイルは不変のものであり、アルバム全体を通じてソング・ライティングのクオリティが傑出しているように思える。
オープニング・トラック「The Outside」はImogen Heapの代表作「Hide and Seek」を彷彿とさせるようなヴォイス・エフェクトが施された実験色の強い楽曲だが実に幻想的で美しい。
続く「Lost Boys」はエモーショナルなコーラスが印象的で躍動感溢れるギターのストロークが痛快だ。
タイトル・トラック「Lost Weekend」の共作者のクレジットにDamien Juradoの名前を見つけたのは嬉しい驚きだったが、その他にもGeeseのCameron WinterやBlake Mills、Conor Oberstといった錚々たる面々が今作のコラボレーターとして名を連ねている。
作品を通じて全く捨て曲のない今回の作品だが、なかでも白眉はAmerican FootballのMike Kinsellaもギターで参加した「Bobby」ではなかろうか。
これからも彼女の代表曲のひとつとして語り継がれるであろう名曲に仕上がっていると思える。
プロデュースは彼女自身と長年の盟友的存在Ethan Gruska、Jack AntonoffそしてAlex Gが務めた。
UKアルバム・チャートで1位、そしてビルボード200でも2位を獲得した今回の「Lost Weekend」、これからも長く愛され続ける作品だと確信出来る。


