2020年5月18日月曜日

ジャンルレス



【今日の一枚】



Purnamasi Yogamaya - Oh My Beloved [Purnamasi Yogamaya 2020]

もうかれこれ長い事なんちゃって音盤紹介ブログを書いてきたけど、リトアニアのアーティストを取り上げるのは初めて。
Purnamasi Yogamayaはプロジェクト・ネームで本名はEglė SirvydytėというフィメイルSSW、マルチ・プレイヤーの作品。
英語とリトアニア語に加えサンスクリット語でも歌っており、全く違和感なく曲調にフィットしている。
Apple Musicで再生すると「イージー・リスニング」と分類・表示されるがそっちには違和感が。
スムース・ジャズやアンビエント、スピリチュアルというのもピンと来ない。
かといってワールド・ミュージックやフォークに括るのも違うような気がする。
楽曲単位ではM3「Šventosios Upės (The Holy Rivers)」や↓のM5「Gopinath」が特に秀逸。



2020年5月12日火曜日

ギリギリ



【今日の一枚】



Kassa Overall - I Think I’m Good [Brownswood 2020]

シアトル出身で現在はブルックリンを拠点にするKassa Overallの2ndアルバム。
リリースはGilles Peterson主宰のBrownswoodレーベルより。
ジャズドラマーとしての経歴も華々しいもので、Arto Lindsayを始めとした大物アーティスト達の作品に参加、ライブでの競演を果たしてきているそう。
バックパック・ジャズ・プロデューサーを自称する彼だが、この作品を聴くにつけ、確かな演奏技術に裏打ちされつつも本当に自由奔放でエクスペリメンタルな音世界が展開されている。
アルバムのアートワークに使われているのは本人の幼少期の写真で、幼馴染で当時の同級生だったという現在のガールフレンドの勧めでチョイスされたのだとか。
この作品のリリースに先立って今年2月に来日公演が行われた模様。


2020年5月7日木曜日

合作



【今日の一枚】



Tom Misch & Yussef Dayes - What Kinda Music [Blue Note Records 2020]

サウス・ロンドンの音楽シーンがアツい、と言われて久しいけど、ここにまたそれを象徴するかのような作品が。
2018年の『Geography』で大きな成功をおさめたTom MischとYussef Kamaalとしての活動でも名高いドラマーYussef Dayesとの共同名義のアルバム。
ちょっとセッションしてみるか、という感じではなく、かなり作りこまれた、緊迫感を感じさせる仕上り。
ウタ入りとインストが入り混じる構成だが、違和感は全くなく、うまくバランスされている印象。
Alfa MistJordan Rakeiらとも浅からぬ交流があるそうだし、この動画なんか見るにつけ、また色んな形でのスリリングなコラボレーションが生まれてきそうな予感。
この作品のドキュメンタリー映像も観応えアリ。




2020年4月27日月曜日

コテンパン



【今日の一枚】



Hamilton Leithauser - The Loves of Your Life [Glassnote 2020]

The WalkmenのフロントマンHamilton Leithauserのソロ・アルバム。
前作Rostamとの共同名義での作品だったので、純粋なソロとしては3作目。
11のトラック全てが実在するモデルがいるそうで、3曲目の「Here They Come」は俳優のEthan Hawkeを題材にした楽曲だそう。
↓の動画で本人に曲を聴かせて激怒したEthanがHamiltonをコテンパンに叩きのめすシーンが描かれているが、こういうユーモアのセンス、イイよなあ。
アートワークは昔の欧州映画のような趣をたたえているけど、手前の女性が携帯電話を持っていて、そのギャップも愉しい。


2020年4月20日月曜日

たまちゃん



【今日の一枚】



Yaeji - What We Drew [XL Recordings 2020]

NYを拠点に活動する韓国系プロデューサー&トラックメイカーの1st「ミックス・テープ」。
なんでデビュー「アルバム」でなくてあえてMIXテープなのかは不明だが、XL Recordingsよりリリース。
彼女の存在を知ったのは昨年のCharli XCXのアルバムの客演がきっかけだったが、数年前からクラブ・シーンでは注目を浴びていたようで、2017年の2枚のEPでその存在が大きくフォーカスされた模様。
それにしてもちびまる子ちゃんに出てくるたまちゃんが大人になったかのような風貌でこんなにも先鋭的なサウンドを繰り出してくるのだからその落差に呆気に取られてしまうというか。
M6「Free Interlude」やM9「In The Mirror」なんかのヘヴィ・トリップ・サウンドは特にツボ。



2020年4月13日月曜日

同名



【今日の一枚】



Purity Ring - Womb [4AD 2020]

カナダ出身で現在はLAを拠点に活動するデュオ・ユニットPurity Ringの5年振りの3rdアルバム。
2017年3月の単独来日公演に足を運んだが、奇しくも会場名が本作のタイトルと同じWOMB
期待通りといえばこれ程に期待通りな音も珍しいんじゃないかと思える切なさ・儚さ全開のシンセ・ポップ。
Megan Jamesのヴォーカルも決して声域が広いワケではないし、ややもすると単調になってもおかしくないはずなのに、このうえなくメランコリックなメロディにハマりまくっている。
アルバムの構成という意味でも9曲目の「Almanac」で大団円を迎えても良さそうなトコロをあえてポジティブなムードのサウンドのリード・シングル「Stardew」をラストに持ってくるあたり、小憎らしい程のセンスなのでは。


2020年4月6日月曜日

センセイ



【今日の一枚】



Oval - SCIS [Thrill Jockey 2020]

ベルリンのMarkus PoppによるプロジェクトOvalの3年ぶりのニュー・アルバム。
前作「Markus Popp」は自身が主催するUOVOOOレーベルよりリリースされたが、今作で古巣Thrill Jockeyに回帰。
今作と対を為す5曲入りEP「Eksploio」はUOVOOOより配信のみでリリースされており(今作の日本盤に同時収録)、個人的にはAppleMusicのプレイリストにして一緒に楽しませて頂いた。
古くはGastr Del Solの1998年作「Camoufleur」の制作にも一部携わったというから30年以上のキャリアを持つMarkus翁、全く衰えを感じさせない先鋭的なサウンドが冴え渡っている。
こんな大学のセンセイみたいな風貌のオジさんがこんなにもキレツキレな音を鳴らしているなんて、なんと痛快なのだろうか。