2011年11月24日木曜日

Don



【今日の一枚】



Gem - Hunters Go Hungry [Excelsior 2011]

ソリッド&タイトな演奏ぶりといい、粒揃いの楽曲といい、かなりイケてるオランダのロック・バンド。
アメリカのSpoonとか連想させられたなー。




【今日の一冊】




城内 康伸 - 猛牛(ファンソ)と呼ばれた男 「東声会」町井久之の戦後史 [新潮文庫]


 町井の半生には、米国のマフィアと共通した部分もある。マフィアはもともと、米国のマイナリティーとして虐げられたイタリア系移民が、差別に抗しようとして結集し、やがて暴力組織へと変質していったものだ。そのトップはある時期からビジネスの道に足を踏み入れると同時に、ときの権力と手を結ぶことによって、隠然たる影響力を行使するようになる。
 一方、町井久行という日本名を名乗った在日韓国人・鄭建永(チョンコンヨン)は、右翼的色彩を帯びた民族団体の武闘派として戦後の歩みを始めた。そして、本人の思惑とは違って、世間では広域暴力団として扱われる「東声会」の首領となり、時の権力と関係を深めながら、実業家への転身を遂げていった。米国でのマフィアの歴史は長く続く。しかし、それとは対照的に日本の社会は町井の「過去」を決して、見逃さなかった。さらには、実業家として生きるには純粋に過ぎ、狡猾さに欠けた。
「あの人はそろばんをはじけるような人間じゃないんだよ。ヤクザ、『韓国』までで止めておけばよかったんだ」
 町井の生きざまを知る元東声会幹部の言葉には、私が抱くのとほぼ同じ考えがにじんでいるように思う。


逆に純粋で、狡猾さに欠けたからこそ1500人もの組の親分になれたのかも。

2011年11月19日土曜日

Americana

【今日の一枚】



Jocie Adams - Bed Of Notions [CD Baby 2011]

なんとも沁みるアメリカーナですなあ…。




【今日の一冊】



川合 康 - 源平合戦の虚像を剥ぐ 治承・寿永内乱史研究 [講談社学術文庫]


 内乱期に動員した武士たちをあらためて動員しつつ、彼らの意識のなかに鎌倉殿の存在の正当性を植えつけること、奥州合戦はそうした頼朝の「政治」としての戦争だったといえよう。
 じっさいには虚構に過ぎない頼義以来の源家譜代の主従関係を、のち東国武士団がことさらに強調するようになるのも、実はこうした事情に基づいているのであり、頼朝挙兵と同時に、源家譜代の武士団がいっせいに頼朝のもとに馳せ参じたかのような認識(鎌倉幕府の草創神話)はこのように歴史的に創りだされていったのである。
 奥州合戦は、多様な在地武士の蜂起によって深化・拡大した治承・寿永の内乱を、鎌倉殿の戦争として、つまり「源平」合戦として総括した戦争であった。



頼朝が「武士」というより「政治家」だったということがよくわかります。

2011年11月14日月曜日

屋根の上のギター弾き



【今日の一枚】



Owen - Ghost Town [Polyvinyl 2011]

ギター・サウンドの構築にはもともと定評のあるヒトだけど、これまでにもましてアコースティックとエレクトロニックの絶妙な混交ぶり。

2011年11月10日木曜日

スー

【今日の一枚】



Peggy Sue - Acrobats [Wichita Recordings 2011]

ささくれだったギター・サウンドとトライバルなリズム・ワーク、ハマるわ~。
プロデューサーはJohn Parish翁

2011年11月7日月曜日

Ending



【今日の一枚】



Tom Waits - Bad As Me [Anti 2011]

これからトム・ウェイツを聴いてみようというヒトでも、この作品から聴き始めてもイイんじゃなかろうか。それくらいこのオッサンの音楽の魅力が凝縮された内容に仕上がっているように思える。

【今日の一本】



Made in Dagenham - ファクトリー・ウーマン [2010]

ソーシャル・ネットワークのエンディングにコレが流れていたのは凄く洒落た趣向だと感心させられたものだけど、今作も是非ともコレを流していただきたかったトコロ。

2011年11月4日金曜日

濁水



【今日の一枚】



Happy&Peacefulな空気に覆われつつも、際立つソングライティング・センス。

The Leisure Society - Into The Murky Water [Full Time Hobby 2011]