2014年2月28日金曜日

素描



【今日の一枚】



Sun Kil Moon - Benji [Caldo Verde 2014]

ここ数年はソロ名義で多数のライブ盤をリリースしているMark Kozelek、Sun Kil Moonとしても2年ぶり6作目のアルバム。
Will Oldham、Jen WoodやSteve Shelleyといった豪華なゲスト陣が目を引くが、実際の音は至ってリラックスしたムードにあふれる作品に仕上がっている。
家族や友人、そして自らの少年期の事などを題材にしているようで、どこか私小説的な趣をたたえている印象だ。
なかでも「I Watched The Film The Song Remains The Same」は異色の作品で、少年の頃に観たレッド・ツェッペリンのライブ・ドキュメンタリー映画の思い出を訥々と歌い綴っており、ほのぼのさせられる。
アートワークからして脱力系だし、一枚のアルバムとしては少々散漫な部分は否めず、これから彼の音楽に触れてみたいというリスナーにオススメ出来るような作品では無いが、従来のファンにとっては安心して聴けるクオリティに仕上がっているし、ラスト・トラック「Ben's My Friend」などは新機軸も感じさせてくれる。
それにしても気まぐれでも良いので、一遍くらいRed House Painters再結成ツアーとかやってくれんもんかいな。

2014年2月24日月曜日

Welcomeback



【今日の一枚】



Cibo Matto - Hotel Valentine [Chimera Music 2014]

再結成アルバムって往々にして「悪くはないけど…」みたいな感じの仕上がりが少なくないワケですが、コレは数少ない例外でしょう!
猥雑でインチキ臭くてエキサイティング。
15年のブランクを経て、本当の意味での「復活作」を世に送り出してくれた印象がします。

2014年2月14日金曜日

おお、ザック



【今日の一枚】



Zachary Cale - Blue Rider [Electric Ragtime Records 2013]

ブルックリンで活動するSSWの4thアルバム。
これまで全くノー・チェックでしたが、これはかなりの実力派でしょう!
初期ボブ・ディランやレナード・コーエンなんかが引き合いに出されているようで、今作を聴く限りにおいて決して「もどき」じゃない事を実感させられます。
確かな技術に支えられたリリカル&エモーショナルなプレイはとても聴き応えがありまする。
Kurt Vileとは共演経験もあるそうですが、音のベクトルは違えど、どこか近しい雰囲気も感じます。

2014年2月10日月曜日

迂闊にも



【今日の一枚】



CocoRosie - Tales of a Grass Widow [City Slang 2013]

デビュー作に衝撃を受けて以来、このヒト達の作品は新作が出る度に愛聴してきたつもりが、なんと去年の春に出たニュー・マテリアルの存在に年が明けて気が付くという体たらく。
まあひとえに情報収集のスタイルが偏っているからこういう事になるのだけれど、今さら嘆いても詮無い事で。
周回遅れで聴くことになった5thアルバム、相変わらず期待を裏切らないクオリティ。
狂ったフリをしているのか、本当にくるっているのかはワカらないけれど、いずれにしても彼女たちはホンモノだと思います。