2024年5月13日月曜日










 

【今週の一枚】













Tyla - TYLA [FAX Records 2024]

TylaことTyla Laura Seethalは南アフリカのヨハネスブルグ出身のアーティストで今作がデビュー・アルバム。

2002年生まれで現在22歳という彼女、デビュー・シングル「Getting Late」を発表したのは17歳だったというのだから驚かされる。

ジャンルに疎い自分には超高性能R&Bに聴こえる彼女の音楽だが、南アフリカ発祥のアマピアノというダンス・ミュージックにカテゴライズされているらしい。

今作に先立って2023年に発表されたシングル「Water」は世界的に大きな反響を呼び、ストリーミングで6億回以上再生されたというのだから凄まじい。

実際に素晴らしい楽曲だが、今作のラスト・トラックにTravis Scotをフィーチャーした同曲のリミックス・ヴァージョンが収録されており、これが最高としか言いようのないトラックに仕上がっている。

Kelvin Momoをフィーチャーした「Intro」で幕を開ける今作、それに続く「Safer」を始めとして正にキラー・チューンのオン・パレード状態。

MVも視聴出来る「Truth or Dare」や「Art」も破壊力抜群のトラックと言えるだろう。

第66回グラミー賞で「最優秀アフリカン音楽パフォーマンス賞」を受賞した彼女、今夏のサマーソニック2024で初来日を果たすようだが、是非とも単独公演を実現して欲しいものだ。











2024年5月7日火曜日

五十路











 

【今週の一枚】













Iron & Wine - Light Verse [Sub Pop 2024]

Iron & WineはSam Beamのステージ・ネームで今作が7年ぶりの7thアルバム。

過去にはJesca Hoopとの共作アルバム「Love Letter for Fire」をリリースしたり、Calexicoともコラボ作品「Years to Burn」を発表してきた彼だが、コロナ禍の雌伏の期間を経て本格的に活動を再開、今回の「Light Verse」の完成に漕ぎ付けた模様。

まずもって目を引くのが3曲目の「All In Good Time」がかのFiona Appleとのデュエット曲となっている事で、なんともリラックスしたムードが心地よいカントリー・ソングとなっている。

これまでの作品に比べると、ほんの少しアレンジがゴージャスになっている印象が強いトラックが並んでいるが、これはこれで味わい深い。

今作のプロデュースはSam自身が手掛け、Dave Wayがミキシングとエンジニアリングを担当している。

それにしてもその風貌からして年齢不詳な彼、今年やっと50歳を迎えるんですな。






2024年5月2日木曜日

 











【今週の一枚】













Arms and Sleepers - What Tomorrow Brings [Pelagic 2024]

ボストンで2006年に結成され現在はベルリンを拠点に活動するArms and Sleepersによる14枚目のフル・レングス。

元々Max Lewisとのデュオとして活動していたが、現在はMirza Ramicのソロ・プロジェクトとなっている模様。

これまで14枚のアルバムに加え20枚ものEPをリリースしているというのだから、かなり多作の部類に入るのではないだろうか。

今作のトラック・リストを見てみると全17曲収録されているうち最初の5曲、次に4曲・4曲・4曲という並びになっており、1枚のアルバムでありながら4部作とも言える構成となっている。

多様ななエレクトロニック・ミュージックの影響下にあると言えるArms and Sleepersだが、そのサウンドに一貫しているのはメランコリーを追求する姿勢であり、今作でもそのスタイルは全くブレていない。

Sofia Insuaをフィーチャーした「Belfast」はアルバムのハイライトの一つになっているが、同曲はケネス・ブラナー出演の同名映画にインスピレーションを得て制作されたものなのだとか。