2020年3月30日月曜日
何処へ
【今日の一枚】
CocoRosie - Put the Shine On [Marathon Artists 2020]
BiancaとSierraのCasady姉妹によるユニットCocoRosie、5年振りとなる7hアルバム。
初期の3枚はTouch and Goからのリリースだったが、その後は作品毎に所属が変わって今回はMarathon Artistsより。
登場した頃のインパクトを思うとその「得体の知れなさ」みたいな感触は鳴りを潜めたという印象もしないでもないけど、独特のロココ・ホップ・ワールドはやはり健在と言うべきか。
M5「Where Did All The Soldiers Go」やM9「Slow Down Sun Down」、そしてラスト・トラックの「Aloha Friday」と、もともとの持ち味のひとつでもあったメランコリック・メロウなテイストを打ち出した佳曲が並ぶ。
2020年3月23日月曜日
裾引
【今日の一枚】
Douglas Dare - Milkteeth [Erased Tapes 2020]
英国ドーセット州Bridport出身で現在はロンドンで活動するDouglas Dareによる4年ぶりの3rdアルバム。
ピアノ教師の息子に生れ、ピアノ主体のサウンド・メイキングで知られる彼だが、今作はオートハープを前面に打ち出している。
ポスト・クラシカルの総本山Erased Tapesレーベルの作品のなかでは、オーソドックスなSSW作の印象が強いように思えた。
Laura MarlingとのLUMPとしての活動で知られるTunngのMike Lindsayがプロデュースを務めている。
2020年3月16日月曜日
耽溺
【今日の一枚】
Wilsen - Ruiner [Dalliance Recordings 2020]
ブルックリンの3人組Wilsenの2ndアルバム。
4ADのバンドDaughterのマネージャーがその才能を見出しツアーのサポート・アクトに抜擢したりと妹分バンド的な存在だけれど、決して二番煎じに甘んじていない堂々たるクオリティ。
Mazzy Starあたりを引き合いに挙げる声もあるようで、存分に耽溺出来るドリーム・ポップ・サウンドが展開されている。
プロデューサーをBig ThiefやBon Iverを手掛けたAndrew Sarloが務めた事でも話題を呼んでいる模様。
2020年3月9日月曜日
アツいぜ
【今日の一枚】
MURA MASA - R.Y.C [Polydor 2020]
英国ガーンジー島出身の若きプロデューサーMURA MASAことAlex Crossanによる2ndアルバム。
ギター・サウンドを前面に押し出したポスト・ロック回帰アプローチが話題となっているが、良い意味での青臭さ、ベタさが印象的な作品。
タイトルからして「No Hope Generation」とか「Teenage Headache Dreams」とかまともに受け取ると小っ恥ずかしくなりそうなもんだけど、絶妙なバランスで「イケて」いる。
取りようによってはこれは2020年の「London Calling」なのではないか、とすら思わされた。
タイトルはRaw Youth Collageの略らしく、アートワークの顔に見えるピクセル・アートもその文字が描かれているそう。
2020年3月2日月曜日
ご懐妊
【今日の一枚】
Grimes - Miss Anthropocene [4AD 2020]
カナダの歌姫GrimesことClaire Elise Boucherによる5年振り5枚目のスタジオ・アルバム。
1988年生れなのでまだ30過ぎだけど、アーティストとしての貫禄みたいなのを感じさせられる。
また今回もブツ飛んだ作風を展開してくれとるかなあ、と聴き進めたけど、なかなかどうして王道なゴス・エレポ。
とはいえM2「Darkseid」の畳みかけるような爆走強迫サウンドには圧倒されるし、続くM3「Delete Forever」なんぞはメジャーのヒット・チャートに名を連ねてもおかしくないようなポップ・チューン。
それにしても相変わらずアートワークのセンスには付いていけんなあ。
パートナーのElon Muskとは良好な関係を継続中らしく、現在ご懐妊中なのだとか。
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