2016年9月26日月曜日

それでもなお



【今日の一枚】



Nao - For All We Know [Little Tokyo Recordings 2016]

倫敦出身のフィメイルSSWで「ネイオ」と発音するみたい。
ジャーヴィス・コッカー等のバック・コーラスを務めるなどセッション・ミュージシャンとしての経験が長かったそうだが、そんな彼女が満を持して発表したブリティッシュR&Bシーン期待のデビュー・アルバム。
至高のヴェルヴェット・ヴォイスは正に絶品。
チャーミングでコケティッシュ、そして妖艶かつゴージャス。
新たなディーヴァの登場に胸躍らされる。


2016年9月20日火曜日

いのり



【今日の一枚】



Nick Cave & the Bad Seeds - Skelton Tree [Bad Seed Ltd 2016]

ふと思うにインディー・ミュージック創生期からの生き残りで、一度も隠遁モードにならず本当の意味での現役で未だ最前線で活動中なのはこのニック・ケイブ翁のみといっても良いような。
やりたい事をやりたいようにやり続けてきて早三十数年、実に16作目となる今回のアルバムにしても、セールスの事なんぞを意識していたらオープニングに↓こういう曲を持ってくるのはなかなか出来ないと思うし、初めて彼の音楽に触れる人にとっては、一つ間違えたら読経とか祈祷の世界に聴こえるんではなかろうか。
アルバム全体のトーンは重く暗めで、ときにエクスペリメンタルな側面を見せつつ終盤のM6「I Need You」からタイトル・トラックの最終曲にかけて醸し出される祈りとか癒しを感じさせるムードはなんとも味わい深い。
今作のリリースにあわせ、ドキュメンタリー映画「One More Time With Feeling」が公開された模様で、日本での上映が待たれるトコロ。


2016年9月12日月曜日



【今日の一枚】



Quentin Sirjacq - Far Islands and Near Places [Schole / Karaoke Kalk 2016]

Dakota Suiteとの共演でも名高い仏人ピアニストの3作目のソロ・アルバム。
元々フランス語で撫でること、という意の「La Caresse」と名付けられていたそうだけど、正に彼の奏でる音の感触を言い表しているように思える。
デリケート極まりないサウンドでありながら、オーガニック&パーカッシブな印象をも抱かされる。
ポスト・クラシカル百花繚乱ともいうべきシーンにおいても独特の存在感を放っている稀有なアーティストのひとりなのでは。
アートワークが写真ではなく彼の幼馴染が書いた絵だというのにも驚かされた。



2016年9月6日火曜日

黄金律



【今日の一枚】



Ryley Walker - Golden Sings That Have Been Sung [Dead Ocean 2016]

衝撃的な2ndアルバムから一年という短いスパンでリリースされたライリー・ウォーカーの新作。
M4「Sullen Mind」などは典型的だけど、ちょっとZeppっぽいフィーリングもあるなあ、なんて思いつつ聴いておったら、なんと御大ロバート・プラントが彼のファンだと公言しているのだとか。
プリミティブ・アメリカーナなギターを中心に繰り広げられる、緊迫感に溢れながらもどこか心地よさも感じさせるバンド・サウンドは格別。
プロデュースは元WilcoのLeroy Bachが務めた模様。