2020年9月28日月曜日

カンマ














【今日の一枚】

 










The Sea and CakeのSam Prekopによる5年振りの5thソロ作品。
アナログ・モジュラー・シンセとデジタル・シンセを駆使したインスト・アルバム。
ヴォーカルレスでありながらも詩情に溢れた仕上りとなっている。
ビート・プログラミングも実に大胆に取り入れられており、独特な躍動感が感じられる。
ミキシングはJohn McEntireが手掛け、マスタリングは12kレーベルの主宰者Taylor Deupreeが担当している。
アートワークの写真は自身が撮影したものだそう。




2020年9月24日木曜日

オオキナオセワ

 







【今日の一枚】






Kelly Lee Owens - Inner Song [Smalltown Supersound 2020]

ウェールズ出身、元看護士から転身したという異色の経歴の持ち主のテクノ・プロデューサーKelly Lee Owensの3年振りの2ndアルバム。

Radioheadが2007年作「Weird Fishes/Arpeggi」のカヴァー「Arpeggi」で幕を開ける本作、全10曲収録時間50分の作品だ。

これまでもJon HopkinsやJenny Hvalとのコラボで話題を呼んできた彼女、今作においては元The Velvet UndergroundのJohn Caleをゲスト・ヴォーカルに迎えている。

全編を通じ緊迫感あるサウンドが展開されているが、惜しむらくは彼女自身のヴォーカルが少々インパクト不足な部分。

先行シングルとしてリリースされた「Melt!」や「Jeanette」のスリリングなサウンドを聴くにつけ、自身の歌は控えめにインスト増やすか、複数のゲスト・ヴォーカルを迎えた方がもっと良い結果に繋がったのでは、なんて大きなお世話な感想を持った次第。










2020年9月14日月曜日

旺盛

【今日の一枚】










Land of Talk - Indistinct Conversations [Saddle Creek 2020] Elizabeth Powellが率いるカナダのLand of Talkによる3年振りの4thアルバム。 2作目から3作目のインターバルが7年有った事を思うと思いのほか早いリリースだし、来年にももう一枚作品が予定されているというから旺盛な活動ぶりだと言えるだろう。 所属レーベルは変わらずSaddle Creekで、看板的存在と言うほどでは無いにしても、レーベルのイメージにとてもフィットしたバンドだと思う。 個人的にはカナダはウタに強みがあるバンドが多いイメージがあるが、彼女達も紛れもなくその一つだ。 曲単位で言うとアンニュイな疾走感とでもいうべき感覚が味わえるM4「Weight of That Weekend」からマイナー・コードのメランコリック・メロディが鮮烈なM5「Love in 2 Stages」あたりが特に印象的だった。

2020年9月7日月曜日

大文字

【今日の一枚】
Nick Hakim - WILL THIS MAKE ME GOOD [ATO Records 2020] ワシントンDC出身で現在はブルックリンを拠点に活動するSSWにしてマルチ・インストゥルメンタリストの2ndアルバム。 一言で表現するとしたらサイケデリックR&Bといったトコロだけど、なんとも一筋縄ではいかないサウンド・メイキング。 チェット・ベイカーなんかが引き合いに出されるというウィスパリング・ヴォイスも突如絶叫に変わったり、と目まぐるしい。 ヴォイス・エフェクトやリバーブを深めにかけたサウンド・プロダクションには相当拘りを持っているようだ。 チリとペルー出身のの両親に育てられたたおかげか、南米フォークローレにも多大に影響を受けているようでM6「ALL THESE INSTRUMENTS」なんかが顕著にそれを感じ取れる。 変幻自在なリズム・ワークも彼の音楽を特徴付けているけれど、なかでもヘヴィでドープなM7「DRUM THING」に大いに感銘を受けた。 ちなみに彼はボストンのバークリー音楽大学の出身で未だに奨学金の返済を続けているそう。