2017年7月31日月曜日

街のおと



【今日の一枚】



Kevin Morby - City Music [Dead Oceans 2017]

Woodsの、という前置きが不要に思えるくらい着実にソロ・キャリアを築いてきているKevin Morbyの4thアルバム。
1stソロ「Harlem River」が2013年だったから、ほぼ毎年アルバムを発表しているに等しいうえ、駄作が無いのも素晴らしい。
今作も期待に違わぬ仕上がりで、なんともいえないもっさり感が味わい深いインディー・フォーキッシュ・ポップ作品だ。
The ShinsRichard Swiftがプロデューサーを務め、LAパンクの伝説的存在The Germsの「Caught in My Eye」を収録。


2017年7月24日月曜日

括弧付き



【今日の一枚】



(ghost) - Everything We Touch Turns To Dust [n5MD 2017]

Last Daysの新作も素晴らしかったn5MDレーベルよりリリースされた(ghost)ことBrian Frohの4thアルバム。
ダーク・アンビエントなIDMといった佇まいの音だが、繊細かつ攻撃的なグリッチビートが実に鮮烈。
タイトル・トラックを含むラスト3曲の怒涛の如き迫力の前にはそれこそ言葉を失ってしまう。


2017年7月18日火曜日

万全



【今日の一枚】



This is the Kit - Moonshine Freeze [Rough Trade 2017]

This Is the KitことKate Stablesの2年振りの4thアルバムはレーベルを移籍してRough Tradeからのリリース。
プロデューサーにPJ Harvey関連の仕事で名高いJohn Parrishを迎えて制作された事も話題を呼んでいるようだ。
新作が間近に控えるThe NationalAaron Dessner、Whalebone Pollyの盟友Rachael Daddもゲスト・ミュージシャンとして参加。
ダウナーな曲調の楽曲が並ぶなかにあってどこか牧歌的なムードが漂い、控えめなアレンジながらも濃密な音空間を堪能できる異色のフォーク・アルバムに仕上がっている。


2017年7月10日月曜日

ヴォイジャ



【今日の一枚】



Moonchild - Voyager [Tru Thoughts 2017]

自分にとって「Voyager」といえばなんといっても1992年のMomusのアルバムなんでありますが、あれから既に25年も経っているのか、としみじみ。
今作は南カリフォルニア大学のジャズ・スクールで結成されたトリオの3rdアルバム。
ロック不毛の時代と言われて久しくR&B~ジャズ~ヒップホップ~エレクトロ・ミュージック全盛の昨今、正に時代の申し子というべきネオ・ソウル・サウンド。
Jill ScottにGilles Peterson、Robert Glasperといった偉大なる先達の数々が惜しみない賛辞を寄せているというのも納得のクオリティ。
9月にはBlue Note JAZZ FESTIVAL in JAPANへの出演、COTTON CLUBでの単独公演も予定されているのだとか。


2017年7月3日月曜日

ごす



【今日の一枚】



The Monutain Goats - Goths [Merge 2017]

今思い返してみても4AD時代のThe Monutain Goats、特に2002年の「Tallahassee」から2004年の「We Shall All Be Healed」はそれこそ神がかっていたような印象で、あの頃がキャリアのピークだったと思うけど、その後も長いインターバルを挟む事無く着実なペースで良作をリリースしてくれていて嬉しい限り。
今作は彼等のトレードマークというべきギター・サウンドを排除した音作りで話題を呼んでいるようだが、John Darnielleが青春時代に聴いていたゴス・ロックへの想いを題材にした作品という事でキュアーやスージー・アンド・ザ・バンシーズの固有名詞がリリックに頻出して思わず頬が緩んでしまう。
ジョンは今年2作目の小説を出版したそうで、文筆家としての活動振りも順調な模様。