2021年9月27日月曜日

花園











 

【今日の一枚】













Satomimagae - Hanazono [RVNG Intl. 2021]

茨城県出身で現在東京を拠点に活動するサトミマガエ、4年振り4作目のアルバム。

前2作は畠山地平主宰のWhite Paddy Mountainレーベルからリリースされていたが今作はRVNG Intl.への移籍第一弾となった。

海外レーベルからの作品という事がきっかけになったのか、英語での歌唱も取り入れられているが、元々日本語でも何を歌っているのかワカらないようなスタイルなので、あまり違和感はない。

それにしても相変わらずのオリジナリティで、近しい雰囲気では一時期のジュリー・ドワロンやタラ・ジェイン・オニイルなんかが連想されるけど、やはり彼女の音楽は唯一無二のものだと思える。

ライブではこの世界観がどう再現されるのか、一度是非この眼で観てみたいものだ。










2021年9月21日火曜日

寵児










 

【今日の一枚】













Little Simz - Sometimes I Might Be Introvert [Age 101 2021]

女優としても活躍する英国人ラッパーLittle Simzによる2年振り通算4作目のフル・アルバム。

高い評価を受けた前作「Grey Area」でその存在を広く知らしめた彼女だが今作は正にジャイアント・ステップを踏み出した作品として後に語り継がれるのでは。

先行リリースとなったファースト・トラック「Introvert」の大胆なオーケストレーションの導入に驚かされるが、アルバム一枚を通じて音楽の幅はかなり広がりを見せており、19曲65分の大作という事も相俟って一種のコンセプト・アルバムの様相を呈している。

一人のラッパーとして、というよりは現代における最重要ポップ・アイコンとして、益々注目される存在であることは疑う余地も無い。







2021年9月13日月曜日















【今日の一枚】













Steve Gunn - Other You [Matador Records 2021]

Pennsylvania出身でBrooklynを拠点に活動するSSWスティーブ・ガンによる新作アルバム。

Kurt Vileのバック・バンドThe Violatorsにギタリストとして所属していた彼、正にこういうヒトこそがミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ばれるに相応しいと思える。

今作も大御所Bridget St. JohnをはじめMary Lattimore、Julianna Barwick、Jeff Parkerといった豪華絢爛な客演陣が作品に彩りを添えている。

どこかボヘミアン風というか様々な音楽に影響を受けたであろう印象の味のあるウタモノ作が並ぶなかで唯一異彩を放っている幻想的なインスト「Sugar Kiss」などは作品の冒頭もしくは最終に収められそうなところをあえてラストの前に配置しているのは本人の拘りがあるようだ。

プロデュースはBeckやElliott Smithの作品で名高いRob Schnapfが務め、彼の所有するLAのMant Sounds Studiosでレコーディングが行われた模様。










2021年9月6日月曜日

かがやき










 

【今日の一枚】













Loscil - Clara [Kranky 2021]

バンクーバーを拠点に活動するLoscilことScott Morganの15thアルバム。

ブダペストの22ピースの弦楽オーケストラによって演奏された音源を3分間のトラックに編集、一旦7インチのレコードにし、それをサンプリング、加工して10曲70分の作品に仕上げる、という半ば偏執狂的ともいうべき工程を経て生み出された大作。

聴きようによってはヒーリング・ミュージックとも捉えられるかもしれないけど、細部に耳を傾けると、その只ならぬ拘りが散りばめられていて圧倒される。

アルバム・タイトルのClaraはラテン語で光り輝く、という意味があるそうだ。