2016年10月31日月曜日

凌駕



【今日の一枚】



Banks - The Altar [Harvest 2016]

これまで幾度となく外してきたので全くアテにならないワタクシの感覚でありますけれども、このお嬢さんは途轍もなくビッグになる気がしてなりません。
2年前のデビュー作にも大概衝撃を受けましたが、今回のセカンドは明らかにそれを凌駕しております。
現時点でシングル・カットはされていませんが、5曲目の「Trainwreck」なんぞは私的ソング・オブ・イヤーと言っても過言ではないくらい。
インディ・ダンスの歌姫、で終わるような器では決してない、末恐ろしい逸材だと思います。


2016年10月25日火曜日

軋み



【今日の一枚】



Western Skies Motel - Settlers [Lost Tribe Sound 2016]

デンマークのRene Gonzalez SchelbeckのソロWestern Skies Motelの3rdアルバム。
繊細極まりないギターの調べに胸を打たれるが、アンビエント・ドローン・ミュージックとしての完成度も半端ない印象。
アートワークを見るぶんには真正アメリカーナのようでいて、実は北欧のアーティストの作品という落差も愉しい。


2016年10月21日金曜日

覚醒



【今日の一枚】



Dinosaur Jr - Give a Glimpse of What Yer Not [Jagjaguwar 2016]

特に意図したワケではないのですが、3枚連続でJagjaguwarレーベルのアルバムを取り上げる事に。
今は在籍していないようですが、Julie Doironの傑作「Désormais」と「Heart and Crime」とかホント素晴らしかったよなあ。
で、今回のダイナソーJrの11thアルバム。
正直興味を失いかけてた時期もあったりしましたけれども、久々に目が覚めるような思いが致しました。
のっけの↓の「Goin Down」の爆音ギターに痺れまくりですし、3曲目の「Be A Part」の哀愁の旋律と泣きのギター・プレイには思わず目頭が熱くなってしまいます。
8月の単独公演、行けば良かったヨ…。

2016年10月17日月曜日

ただひとつ



【今日の一枚】



Bon Iver - 22, A Million [Jagjaguwar 2016]

James BlakeやKanye Westとの交流に鑑みるに、今回のような音楽的な変化はそれなりに予想はされたものの、想像以上にエクスペリメンタルでアグレッシブなアプローチ。
しかしながらそれは全然否定的な意味合いでは無くて、個人的には大歓迎だし色んな意味で圧倒された。
このJustin Vernonというアーティストのポテンシャルをこれまで十分には理解出来ていなかったような気がするうえ、これからまだ化けそうな予感さえしてしまう。
唯一不満に感じたのが30数分の短尺だという事くらいな傑作。


2016年10月11日火曜日

きつくだいて



【今日の一枚】



Angel Olsen - My Woman [Jagjagwar 2016]

Bonnie "Prince" Billyらとの共演で知られるシカゴのフィメイルSSWの新作は前作に引き続きJagjaguwarレーベルより。
何はさておきアートワークの大胆不敵な面構えが素晴らしい。
剥き出して生々しい感触のサウンドが実に印象的で、往年のライオット・ガールスのバンド達や初期PJハーヴェイなんかも想起させられたり。
アルバム後半から終盤にかけては、前半と雰囲気が変わってスロウで艶っぽいトラックが並んでいるのも面白いコントラストとなっている。
それにしても↓のM3「Shut Up Kiss Me」とかタイトルからして痛快だよなあ。
ガタガタ言わずにキスしてきつく抱いて、か…。








2016年10月3日月曜日

水晶体



【今日の一枚】



Solo Andata - In The Lens [12K 2016]

Kane IkinとPaul Fioccoの二人のオーストラリア人によるユニットの4thアルバム。
7年振りのリリースとなる今作、前作に引き続きTaylore Deupree主宰の12kレーベルより。
同レーベルでは去年のShuttle358の「Can You Prove I Was Born」に大きな感銘を受けたものだけれど、この「In The Lens」にも同様に衝撃を受けた。
アンビエント、ドローンの文脈に則りつつ繰り広げられるジャジー&フォーキッシュな音世界。
どこか不穏でありながらもきらびやかな万華鏡エクスペリメンタル・サウンドは実に中毒性高し。