【今日の一枚】
Pino Palladino & Blake Mills - Notes With Attachments [Impulse! Records 2021]
40年もの長きにわたり数多のアーティストの作品にベーシストとして参加してきたウェールズ出身のPino Palladinoの初の自身の名を冠した作品はLAの気鋭のプロデューサーにしてギタリストBlake Millsとの連名でのリリースとなった。
昨今精力的な活動を続けるSam Gendelもサックスで参加、アートワークも手掛けている模様。
30分超と短尺な作品ながらその空気感は実に濃密で、音の奥行きが独特な印象の異形のアブストラクト・ジャズ作品に仕上がっている。
【今日の一枚】
Julien Baker - Little Oblivions [Matador 2021]
アメリカのSSWでマルチ・インストメンタリストJulien Bakerによる4年振りの3rdアルバム。
地元テネシー州メンフィスでレコーディングされた今作、バンド・サウンド寄りのアプローチが採られているが、殆ど全ての楽器を彼女自らが演奏している模様。
先行シングルとしてリリースされたM3「Faith Healer」やオープニング・トラックの「Hardline」など開放感とダイナミクスと儚げな空気感が絶妙にミックスされたトラックが並ぶがなかでも白眉はM10「Repeat」だと思う。
盟友的存在にしてBoygeniusのバンドメイトでもあるPhoebe BridgersとLucy DacusがM8「Favor」にゲスト参加している。
【今日の一枚】
Smerz - Believer [XL Recordings 2021]
ノルウェイ出身でデンマークのコペンハーゲンをベースに活動するCatharina Stoltenberg とHenriette Motzfeldtのデュオによるデビュー・アルバム。
2018年にXL RecordingsからリリースされたEP「Have Fun」に大層感銘を受けたので、フル・アルバムを心待ちにしておったのが3年近く沈黙が続いていたので今回のリリースは嬉しいニュースだった。
ファースト・インプレッションは少々薄味に聴こえたというかチト期待し過ぎたか、というカンジであったが、聴き進めていくうちにやはりこの二人の紡ぎだす音は一筋縄ではいかない趣向が凝らされているなぁと、感じ入った次第。
彼女達と交流の深いR&BシンガーErika de Casierも4ADと契約したそうで、こちらも2ndアルバムが楽しみ。
【今日の一枚】
Sturle Dagsland - Sturle Dagsland [Sturle Dagsland 2021]
Sturle DagslandはノルウェイStavanger出身のアーティストで今作がセルフ・リリースのデビュー・アルバム。
兄弟のSjur Dagslandと共に活動するが自らの名前をユニット名にしたのか、あくまでソロ・アーティストでSjurはあくまでサポート、という事なのかはイマイチ不明。
それにしても凄まじいインパクトのサウンドだ。
ヴォーカリスト、というよりむしろヴォイス・パフォーマーというほうが相応しいとも言えるSturle自身の歌唱スタイルはちょっと比較対象が思い当たらないほどユニーク。
エキセントリックで実験精神に溢れ前衛的、といえばそうなのだが、なんとも形容不能な音楽だ。
なかでもM6「Nyckelharpa」の完成度が突出しているように思えた次第。
