2020年7月27日月曜日

現役感



【今日の一枚】



The Rentals - Q36 [The Rentals 2020]

もしかしたらコレが今年一番の衝撃、になるかも。
元々Weezerには今一つピンと来なかったワタクシもMatt SharpのThe Rentalsはスキで1st2ndともに当時愛聴したモノだ。
ただその後の消息は杳として知れず、てっきり解散しているものと思い込んでおったところに今作のリリースの報が。
バンドは形を変えつつも活動を続けており、なんと6年前にも3rdアルバムPolyvinylから発表していた模様。
というワケで4枚目のフル・アルバムとなる今作、全曲Mattの書下ろしのセルフ・プロデュース、ギタリストにYeah Yeah YeahsNick Zinner、ドラムスにThe KillersRonnie Vannucci Jr.をメンバーに迎えてレコーディングされたそう。
十数年ぶりに接するThe Rentalsのサウンドだが、これが驚く程に現役感バリバリ。
えてして良作とはそういうモノかも知れないが、一時間超の大作の割に全く間延びせず、メロディも力強くMattのヴォーカルも変幻自在ともいうべきスタイルでとにかく聴かせる。
やけに音質も良いよなあ、なんて聴き進めていたら、クレジットにMixing EngineerとしてDave Fridmannの名前が!


2020年7月20日月曜日

浪漫男子



【今日の一枚】



Rufus Wainwright - Unfollow The Rules [BMG 2020]

ルーファス・ウェインライトはカナダ人のイメージが強いけど、実際にはアメリカ生まれカナダ育ちで二重国籍なのだとか。
そんな彼も1998年のアルバム・デビュー以来二十数年のキャリアを誇り、今週誕生日を迎え47歳になるそうだ。
デビュー当時からゲイを公言していたルーファス、なんと故レナード・コーエン翁の娘さんに代理母を依頼し生まれた娘さんをドイツ人のパートナーと一緒に育てているというのだから吃驚。
しかし父ちゃんがルーファス・ウェインライトで爺ちゃんがレナード・コーエンって凄すぎる…。
9作目にあたる今作はプロデューサーにミッチェル・フルームを迎え、レコーディングには今年素晴らしい作品を発表したBlake Millsも参加。
自身を体現したかのようなタイトルの「Romantical Man」や悲壮感漂う壮大なアレンジが印象的な「Early Morning Madness」など聴きドコロ満載のうえ、何よりも彼自身の「声」が本当によく出ていて全く衰えを感じさせない。
今年のフジ・ロックにも来日予定だったそうで、いつかコンサート・ホールで彼の声を堪能してみたいものである。




2020年7月13日月曜日



【今日の一枚】



Ron Sexsmith - Hermitage [Cooking Vinyl 2020]

今年はロン・セクスミスのメジャー・デビュー作「Ron Sexsmith」がリリースされて25年になるそうだ。
そんな節目と言うべきタイミングで発表された今作、25年で13枚目の作品にあたる模様。
ずっと追いかけてきていたつもりが、実は前作・前々作は出ていたのにも気が付いていなかったという体たらく。
オンタリオ州ストラトフォードに拠点を移し、盟友的存在のドラマーDon Kerrをプロデューサーに迎え、ドラム以外の楽器は全てロン自身が演奏し制作が進められたのだとか。
全16曲で収録時間が47分という事で1曲あたり3分くらいの楽曲が並ぶが、聴き進めるにつけ、このヒトは本当にオーセンティックなアプローチと平易な言葉遣いで「グッド・メロディ」を愚直なまでに追及し続けているんだなあ、と改めて痛感させられた。
そのアティチュードはデビュー以来一貫されてるんだろうけれども。



2020年7月6日月曜日

才媛



【今日の一枚】



Gordi - Our Two Skins [Jagjaguwar 2020]

2017年のデビュー作が鮮烈だったGordiことSophie Payten、3年ぶりの2ndアルバム。
前作に引き続き今回の作品もJagjaguwarよりリリースされ、レーベルメイトのBon Iverとは音作りにステージに、と協演関係にある事でも知られる。
今作は彼女の故郷であるCanowindraのコテージのスタジオにて友人のChris MessinaとZach Hansonを迎え制作が進められた模様。
3年のインターバルの間の2018年にニューサウスウェールズ大学で医学士の学位を取得し、2019年を通じてプリンスオブウェールズ病院で医師として勤務しつつ、今年の一月には地元豪州の大規模な森林火災の被災地域への寄付のためのシングル「The Cost (Australian Bushfire Relief)」をリリースしたというのだから、天は二物を与えず、とはいうものの、本当に見上げた才媛だ。