2018年3月28日水曜日

貴方の元へ



【今日の一枚】



Courtney Marie Andrews - May Your Kindness Remain [Fat Possum 2018]

まだ4枚目だっけ、と思わされてしまうCourtney Marie Andrewsのニュー・マテリアル。
それにしても弱冠27歳とは思えない堂々たる貫録に満ち溢れた作品。
バック・トゥ・ルーツな指向は今に始まった事じゃないにしても今作はより一歩踏み進めているというか、ひとつ間違えたら大物カントリーシンガーのリサイタル状態。
タイトル・トラックを始め全編にわたってダイナミックな歌唱力が遺憾なく発揮されている。
そこはかとなく感じ取れるゴスペルっぽいフィーリングも好印象だ。


2018年3月23日金曜日

さらさら



【今日の一枚】



I'm With Her - See You Around [Rounder 2018]

Sara WatkinsSarah JaroszAoife O'Donovanの三人からなるルーツ・アメリカーナのスーパー・バンドの1stフル・アルバム。
ピーター・バラカン主宰のLive Magic!にも出演したり単独公演も行っていたのも記憶に新しい彼女ら、大物プロデューサーEthan Johnsを迎え、Peter Gabrielの Real World Studiosにて録音が行われた模様。
じっくり時間をかけて作りこんだというよりはリラックスしたムードのセッションから生まれた作品、といった風情でこれはこれで味わい深い。
Gillian Welchの「Hundred Miles」カバーが収録されてるのも嬉しいけど、どうせだったら彼女もメンバーに加えてほしいくらい。


2018年3月19日月曜日

高層建築



【今日の一枚】



In Tall Buildings - Akinetic [Western Vinyl 2018]

シカゴのマルチ・インストゥルメンタリストErik Hallのソロ・プロジェクトIn Tall Buildingsの3rdアルバム。
これが驚く程に良い。
ソフト・サイケ路線のベッドルーム・フォーキッシュ・ポップ、という括りになるのだろうけど、Kings of Convenienceの初期アルバムなんかにも比肩するクオリティなのでは。
Erikの儚げなヴォーカルはLoney, DearFolly & The Hunter、そろそろ復活が待ち遠しいChris Garneauあたりを彷彿させる。
プロデューサーを務めたのはRed Red MeatやCalifone関連の活動やIron&Wineのプロデュースで名高いBrian Deck。
それにしてもWestern Vinylレーベル、錚々たる面子をラインナップしとりますなあ。


2018年3月15日木曜日



【今日の一枚】



Endless Melancholy - The Vacation [Hidden Vibes 2017]

ウクライナ・キエフのアーティストOleksiy Sakevychの昨年リリースのアルバム。
多作で知られる彼、5枚目のフル・アルバムらしいが、bandcamp上にも次から次へと作品をUPし続けていて、その枯渇することのない創作意欲に舌を巻かされるし、そんでもって駄作がないのは見事。
今作もこれからアンビエント・ドローンやポスト・クラシカルを聴いてみよう、というリスナーの方には是非オススメしたい逸品だ。
このアルバムのトラックの動画は見つけられなかったけど↓は昨秋リリースされた同郷のシンガーBILYKとのコラボ・シングル。


2018年3月8日木曜日



【今日の一枚】



Rhye - Blood [Loma Vista 2018]

鮮烈なデビュー作「Open」から4年、Mike Milosh率いるRhyeの待望のセカンド・アルバムが届けられた。
アートワーク、サウンドともに彼等の孤高の世界観は堅持されており、一発屋ではなかった事を堂々と証明している出来栄えだ。
Sade(再始動!)を引き合いに出されることも少なくないMike Miloshの中性的なヴォーカルも冴え渡っている。
楽曲単位では7曲目の「Blood Knows」に大いに感銘を受けた。
5月には来日公演も予定されている模様。