2020年10月26日月曜日

ジャケ買いしません

 









【今日の一枚】

Jerry Paper - Abracadabra [Stones Throw 2020]

LAとNYを股にかけて活動するマルチ・プレイヤーLucas Nahanのプロジェクト、Jerry Paperの6thアルバム。

前作からStones Throwレーベルに移籍、今作も同レーベルからのリリースとなった。

13曲収録ながらトータル30分超とコンパクトにまとめているが、内容は実に多彩。

音の作りは実にオーセンティックなソフト・ロックで確かな技術に裏打ちされているのだが、アートワークから想像できるようにどこかすっ呆けている。

バリトン・ヴォイスのヴォーカルもとても魅力的で、かつメロディ・メーカーとしても大層な才能だと思える。








2020年10月19日月曜日

混沌


 






【今日の一枚】






Sufjan Stevens - The Ascension [Asthmatic Kitty 2020]


Sufjan Stevensの5年半ぶりとなる8thアルバム。

全15曲収録、トータル80分超の大作だ。

先行リリースされたラスト・トラックの「America」が12分オーヴァーの作品だったのも驚きだったが、ダブル・アルバム並みのヴォリュームである。

シンプルなフォーク作だった前作と打って変わって今回はかなり電子寄り。

ただ、サウンドの質感は違えど彼独特のマイナー・コードの旋律が全編にわたって展開されており、メランコリックな音世界を堪能出来る。

多少混乱気味でとっちらかった印象も否めない作品だが、逆にそこが魅力的とも言えるのではないだろうか。









2020年10月12日月曜日

匹敵
















【今日の一枚】

             








Joshua Burnside - Into the Depths of Hell [Joshua Burnside Recordings 2020]

北アイルランド、ベルファストのフォーク・シンガーJoshua Burnsideの2ndアルバム。
殆ど前情報無しに接したこの作品、Ryley Walkerの2015年の2nd「Primrose Green」に匹敵する衝撃を受けてしまった。
アイルランドのルーツ・ミュージックやゴシック・アメリカーナの影響色濃いサウンドだがエキスぺリメンタルな側面も感じさせ、独自のスタイルを確立している印象。
そして何と言っても彼自身の「声」がイイ。
オープニング・トラックの「I Saw the Night」でいきなりハートを鷲掴みされてしまった。

2020年10月5日月曜日

星の









【今日の一枚】







Lomelda - Hanna [Double Double Whammy 2020]


LomeldaはTexas州Silsbee出身のHannah Readのステージ・ネームで今作が5作目の作品。

リリースはブルックリンのDouble Double Whammyより。

典型的とも言えそうなロー・ファイ・インディーのスタイルはレーベル・メイトのFLORISTあたりとも相通じるものも。

大傑作「Désormais」と「Heart and Crime」をリリースした後のJulie Doironが目指そうとして到達し得なかった境地に辿り着いた音、とまで言ってしまっては大袈裟だろうか。

HannahによるとLomeldaとは「星のエコー」を意味する造語なのだとか。