セイフ

【今日の一枚】



Chaouche - Safe [Night Time Stories 2018]

ブリストルのフィメイルSSW、プロデューサーChaoucheことAisha Chaouchのデビュー・アルバム。
思いのほかオーソドックスなウタモノ作品に仕上がっており、よく聴き込むと実は凝ったサウンド・プロダクションに気付かされる、というのは狙ってそういう作りにしているのだろう。
タイトル・トラックの「Safe」やデビュー・シングルのM5「I'll Lose My Head 」を聴くにつけ、繊細で清冽なサウンドにどこかウェットなフィーリングを醸し出すメロディが乗るスタイルはある意味新鮮な気がする。
リリース元のNight Time Storiesはシリーズ・コンピCDで名高いLate Night Talesの姉妹レーベルなのだとか。

仮面

【今日の一枚】



Rival Consoles - Persona [Erased Tapes 2018]

Leicester出身のエレクトリック・ミュージシャンRyan Lee WestのプロジェクトRival Consolesの4thアルバム。
タイトルの「Persona」はIngmar Bergmanの1966年の映画に由来するそうだ。
ポスト・クラシカルのイメージが強いErased Tapesレーベルにあってかなり前衛電子音に振れたアプローチのサウンドだが、強烈な魅力を放っている。
昨年復活作をリリースしたSlowdiveにも影響を受けたそうで、なんだか感慨深い。

セブン

【今日の一枚】



Beach House - 7 [Sub Pop 2018]

ボルチモアのドリーム・ポップ・バンドの新作。
7作目のアルバムなのでタイトルは「7」、13年にわたる活動で発表したのが「77曲」という拘りっぷり。
Sonic Boomが制作に参加している事でも話題を呼んでいる模様。
シングル・カットされた「Lemon Glow」や「Dive」も良いけど。、個人的にはM2「Pay No Mind」がツボ。
Victoria Legrand嬢のヴォーカル、決してお世辞にも上手いとは言い難いけど、なんだか惹きつけられてしまう。

フリー

【今日の一枚】



tUnE-yArDs - I Can Feel You Creep Into My Private Life [4AD 2018]

Merrill Garbusによるソロ・プロジェクトtUnE-yArDsが長年のコラボレーターNate Brenneを正式メンバーに迎えデュオとなってリリースした4thアルバム。
トライバルなリズム・ワークと躍動感溢れるベース・サウンドに乗って展開される独特なポップネスは円熟味を増していて、今後とも息の長い活動が期待出来る仕上がりとなっている。
キャッチーなオープニング・トラック、先行シングルとなったM7「Look at Your Hands」もさることながら個人的にはラストトラックの「Free」に強く感銘を受けた。
それにしてもMerrillの大阪のオバちゃんがガナりたてているようなヴォーカル・スタイルは今作でも健在。

三枚目

【今日の一枚】



TV Girl - Death of a Party Girl [TV Girl 2018]

LAのインディー・ポップ・バンドの3rdアルバム。
2014年の「French Exit」以来、2年ごとに作品をリリースするコンスタントな活動ぶり。
HipHopの影響色濃いリズム・ワーク、ラウンジやトロピカルも上手く消化したサウンドにしてもヴィヴィッドなアートワークにしても独自の拘りが一貫されている。
勢いがあった頃のStereolabとかがそうだったけど、一聴してそれと分かる特徴のある音で、ややもすると毎回同じ事の繰り返しをやっているようでいて、それがネガティブな意味でなく揺ぎ無きオリジナリティに繋がっているのは実に好感が持てる。
今作関連の動画が見つからなかったので↓は前作のラストトラック。

塊

【今日の一枚】



flica – Sub:Side [SCHOLE INC. 2018]

マレーシア・クアラルンプールのEuseng Setoによるユニットflicaの5thアルバム。
アコースティックとエレクトロの絶妙な混交が堪能出来るシネマティック・アンビエントの逸品。
リズム・トラックの絡ませ方も小憎らしいくらい巧いうえにヴォーカルレスなのを感じさせないくらいメロディアス。
繊細さとダイナミクスを兼ね備えた、正にセンスの塊みたいな音楽だ。