2021年10月25日月曜日









 

【今日の一枚】














Cleo Sol - Mother [Forever Living Originals 2021]

SAULTのメンバーとして、またLittle Simz作品への客演で知られるCleopatra "Cleo Sol" Nikolicのセカンド・アルバム。

丁度10年前にグライムのシンガーとしてキャリアをスタートした彼女、ソロ作においてはオーガニックR&Bというべきナチュラル路線で、往年のフィメイルSSW作品の佳作の数々を彷彿させるような音を志向している。

自身の出産の経験を経て制作された本作「Mother」も本当に慈愛に溢れた作品で、抑制されたアレンジも相俟って、聴く度に癒される。

プロデュースは前作に引き続き盟友Infloが務めた模様。








2021年10月18日月曜日

未来










 


【今日の一枚】













Hiatus Kaiyote - Mood Valiant [Brainfeeder 2021]

メルボルンのフューチャー・ジャズ・ファンク・バンドHiatus Kaiyoteの6年振りの3rdアルバムはFlying Lotus率いるBrainfeederレーベルへの移籍第一弾となった。

各方面で高い評価を得て賞賛された2015年の「Choose Your Weapon」リリース後のツアー中に制作がスタートし、2018年頃には大枠が出来上がっていたところにフロント・ウーマンNai Palmが癌の手術をし、その後完成に漕ぎ着けるもコロナ禍でリリースが遅れて今年になったという経緯のようで奇しくも結成十年目の節目に発表となった。

先行シングルのM5「Get Sun」はブラジルのArthur Verocaiをゲストに迎え、リオデジャネイロで録音されている。

終盤のメロウ&ディープな曲調のネオR&B路線味わい深いが、個人的にはM3「Chivalry Is Not Dead」がハイライト。

唸りを上げるチョッパー・ベースに縦横無尽に絡みつくかのような変幻自在のヴォーカルには聴く度に圧倒される思いが。

再々延期となっているThundercatの来日公演に一緒に来てくれんかなあ。









2021年10月11日月曜日

ひかり

 











【今日の一枚】













Stefano Guzzetti - Lumen [2020 Editions 2021]

2018年のイタリア文化会館でのフリー・コンサートが実に感動的だったStefano Guzzettiのニュー・アルバム。

その旺盛な活動意欲により数々のアーティストとのコラボレーションやピアノ・ソロ作品をリリースしている彼だが、あの時のコンサートがStefano Guzzetti Ensembleというスタイルで自身のピアノとストリングス三重奏というフォーマットだったように、やはりこの組み合わせが一番しっくり来ているように感じる。

そういう意味では今作は2016年のアルバム「Leaf」と対を為す位置づけと言えるのかも知れない。

どちらかというとピアノよりストリングスを前面に打ち出したアレンジの佳曲がならぶなか終盤にストリングスのみの「Tempest」で盛り上がってピアノ主体の「Bubble (for Vaughan)」で締めるという構成となっている。

それはそうとアートワークが90年代4ADっぽいなあ、と思っていたら、実際に数多くの4AD作品を手掛けたChris Biggの手によるものだそう。











2021年10月4日月曜日

ハタチ
















 【今日の一枚】













quickly, quickly - The Long and Short of It [Ghostly International 2021]

quickly, quicklyはオレゴン州ポートランドのGraham Jonsonによるソロ・プロジェクト。

弱冠ハタチだという彼、これまでもSoundCloudなどネット上で作品を発表、高い評価と大きな反響を獲得してきたが、Ghostly Internationalレーベルとの契約を勝ち取り、今作が同レーベルからのデビュー作。

幼い頃からピアノ演奏に親しみ、小学生にしてJディラの音に感銘を受けて自らの音作りに勤しんできたそうだが、実際にこの作品で鳴らされている音は驚く程の完成度を誇っている。

ビート・メイカー、コンポーザー、アレンジャーそしてマルチ・インストゥルメンタリストとしてその才能を全編にわたって遺憾なく発揮しており、これを早熟の天才と言わずして何をか謂わん、というか。

オープニング・トラックにフィーチャーされているのはSharrif Simmonの即興で書かれたという詩でこれまた途轍もなくクールだ。