2014年8月26日火曜日

艶と棘

【今日の一枚】



Spoon - They Want My Soul [Loma Vista 2014]

少々大袈裟な物言いになってしまうけど、このバンドやThe Nationalの音に触れると、ロック・バンドというフォーマットにまだまだ未来があるような気がする。
メロディの完成度は全曲アコースティックな弾き語りで歌われたとしても十分聴くに堪えるレベルだが、緻密なプロダクションのバンド・サウンドが彩りを添えて実にスリリングだ。
音の空間処理に時代性を感じるというか、独特な「ゆらぎ」みたいなものを感じる。
そしてなんといってもBritt Danielのヴォーカルが相変わらず艶と棘があって魅力的である。


2014年8月21日木曜日

Footprints



【今日の一枚】

Imogen Heap - Sparks [Megaphonic Records 2014]

このヒトは現在進行形で「新作が最高傑作」なアーティストのひとりだと思う。
数か月のスパンで楽曲が出来る度にリアルタイムで発信し続け、大体3年でアルバムを完成させる、と宣言し、有言実行で発表に至った4thアルバム。
正に問題作にして意欲作、全ての楽曲の映像を愉しめるのもサイコーだ。
ちなみに彼女はこの11月に出産予定なんだそうで。





2014年8月11日月曜日

夢想



【今日の一枚】



Eddi Reader - Vagabond [Reveal Records 2014]

最近ちょくちょく「アルバム一枚まるごと再現ライブ」みたいなのを目にするけど、それこそ一夜限りの再結成Fairground Attractionの1stの再現ライブ、なんて実現したらさぞや感動的だろうなあ、なんて夢想してみたり。
ソロ転向後11作目にあたるというこの作品に耳を傾けるにつけ、こちらの想定の範囲を逸脱することはないながら、決して期待を裏切らないクオリティに仕上げてくれていて、毎度のことながら安心して聴ける。
チャートなんかとは無縁なのだろうけど、自分の好きな音楽を自分のペースで、気のおけない仲間と作り上げていき続けるというのは、実はなかなか難しい事なのではないだろうか。
そういう意味ではアーティストとして理想の年の重ね方をしている一人だと思う。


2014年8月4日月曜日

近過ぎて



【今日の一枚】



Fink - Hard Believer [Ninja Tune 2014]

普段はあまり音質に拘らないほうだと思うのですが、こういう作品なんかは本格的なオーディオ・セットで聴くべきなんでしょうね、多分。
2009年の『Sort of Revolution』収録の「Nothing Is Ever Finished」なんぞはあの年の私的ベスト・トラックと言っても大袈裟ではないくらいでしたが、異形のアーバン・エレクトロ・ブルースとでもいうべき音世界は今作においても健在。
ハイ・レベルのトラックが並ぶなかでも特にM8「Looking Too Closely」に感銘を受けましたけれど、コレがシングル・カットされてるんですな。
日本国内盤にはNirvanaの「In Bloom」のカヴァーが収録されている模様で興味をそそられつつも終盤3曲の盛り上がりが素晴らしいだけに、オマケは別モノとして聴いたほうが良いような気もします。