2018年9月25日火曜日

能ある



【今日の一枚】



Dakota Suite, Dag Rosenqvist & Emanuele ErranteWhat Matters Most [Karaoke Kalk 2018]

昨年感動的な来日公演を披露してくれたDakota Suiteの新作アルバムはスウェーデンのJasper TXことDag Rosenqvist、そして2011年にも共同作品をリリースしているイタリア人Emanuele Erranteとのコラボ作となった。
共に来日したピアニストQuentin SirJacqもヴィブラフォンとシンセで参加しており、毎作美しいカバーアートを手掛ける奥様のJohanna Hoosonもクラリネットでゲストに名を連ねている模様。
それにしてもスロウコア全盛期からそれなりの時間が経過しているワケだけれど、Chris Hoosonはその当時のテンションを維持し続けて活動している数少ないアーティストの一人と言えるだろう。
去年の東京公演の演奏中に突然ステージ上に横たわって動かなくなった時には面食らったけど、まあ才能ある変人なんでしょうな。


2018年9月18日火曜日

高み



【今日の一枚】



Olafur Arnalds - re:member [Mercury KX 2018]

アイスランドのOlafur Arnaldsの新作は彼の音楽が更なる高みに達した事を堂々と証明する作品となった。
Stratusという二台の自動演奏ピアノを制御するソフトを駆使して制作された今作、2018年のポスト・クラシカルを代表するアルバムだと思える。
珠玉の楽曲が並ぶなかでも白眉はM10「undir」。
流麗なストリングス、リズム・トラック、ピアノの旋律、どれを取っても完璧だ。
アルバムのデザインに使用されている模様はStratusのアルゴリズムに基づいて生成されたものなのだとか。


2018年9月10日月曜日

数々



【今日の一枚】



HeliosVeriditas [Ghostly International 2018]

数々のプロジェクトで作品をリリースするKeith Kenniff、今年前半にGoldmundとして「Occasus」を発表したのに続いて Helios 名義でアンビエント・アルバムを完成させた。
正直なトコロ、ポスト・クラシカルのGoldmundのほうが期待度は高かったのだけれど、作品のクオリティはこちらのほうが高かった。
ビートを排した、たゆたうような流麗アンビエントの世界に魅了される。
今作は自身が主宰するレーベルUnseenのみならず、Tycho等の所属するGhostly Internationalより発売。
それにしても精力的な活動ぶりが続いていて頼もしい限りなKeith君、嫁ハンとのユニットMint Julepも来年あたりアルバム出すのかなあ。


2018年9月3日月曜日

圧巻



【今日の一枚】



Kamaal Williams - The Return [BlackFocus Records 2018]

Yussef Kamaalとして活動でも名高いHenry WuことKamaal Williamsのソロ・デビュー・アルバム。
活況を呈する昨今のロンドンの新世代ジャズ・シーンにおいて紛れもなく重要人物の一人と目される鍵盤奏者だ。
緊迫感溢れるスリリングなサウンドが全編に展開されていて本当に隙のない印象の作品。
ブロークン・ビートなM2「Broken Theme」やMansur Brownの超絶ギター・プレイをフィーチャーしたM9「LDN Shuffle」あたりはそれこそ圧巻のプレイだ。
リリースは自身が主宰するレーベルBlackFocus Recordsより。