2023年12月28日木曜日

今年の十枚

 















【Best Albums 2023】

Hayden - Are We Good [Arts & Crafts]

Overmono - Good Lies [XL Recordings] 

Kassa Overall - ANIMALS [Warp]

Ítallo - Tarde no Walkiria [LAB 344]

Sigur Rós - ÁTTA [Von Dur]

Sampha - Lahai [Young]

Sufjan Stevens - Javelin [Asthmatic]

Laurel Halo - Atlas [AWE]

Beirut - Hadsel [Pompeii Records]

Maria BC - Spike Field- [Sacred Bones]

Selection 2023






















 【今年の22曲】

01.Riu (intro) - Magalí Datzira
02.Ensemble Mais Perdu - Afternoon Bike Ride
03.Way Back - Skrillex & PinkPantheress
04.Found - Sandrayati
05.A Void - CARM
06.このまま - さらさ
07.Will Anybody Ever Love Me? - Sufjan Stevens
08.On A Beach (feat. Feist) - Hayden
09.more than words - 羊文学
10.February - JFDR
11.Mona Lisa Moan - Eartheater
12.Is U - Overmono
13.Carbon Dioxide - Fever Ray
14.4th Feb (Stay Awake) - Alfa Mist
15.VoidManifest - Eluvium
16.x w x - yeule
17.Stockholm Syndrome - Joanna Sternberg
18.Portrait of a Dog - Jonah Yano
19.Only - Sampha
20.New Meaning (feat. Gordi) - S. Carey & John Raymond
21.Homewrecker - Ryan Hall
22.恋の色 - ヒグチアイ

2023年12月25日月曜日

毒気













 【今週の一枚】













Eartheater - Powders [Chemical X 2023]

米国人Alexandra Drewchinによるソロ・プロジェクトEartheaterの3年ぶりの4thアルバム。

前作に引き続き自身のレーベルChemical Xからリリース。

それにしてもアートワークにフィーチャーされた自身の写真は本当にこのポーズを取っているのだろうか。

冒頭の「Sugarcane Switch」の退廃的なムードはFelt Mountainの頃のGoldfrappなんかを彷彿とさせて非常に好印象。

System Of A Downのカバーでる5曲目のChop Sueyも素晴らしいが個人的には7曲目の「Mona Lisa Moan」に最も感銘を受けた。

全体的には少々毒気が抜けたような気がせんでもないが、ある意味ポジティブなシフト・チェンジのように思える。

既に来年5thアルバム「Aftermath」のリリースも決まっているようで、精力的な活動振りが頼もしい限り。





2023年12月18日月曜日











 

【今週の一枚】













羊文学 - 12 hugs (like butterflies) [F.C.L.S. 2023]

3ピース・バンド羊文学による1年半ぶりの4thアルバム。

アートワークは塩塚モエカが「バタフライハグ」というポーズをとったポートレイトが採用されていて、タイトルにもlike butterfliesと記載されているように、「バタフライ」

というワードが今作のキーワードのようだ。

アルバムは静謐でありながらも絞り出すような声で歌われるアコースティック弾き語りの「Hug.m4a」で幕を開けるが、この曲はスマホで録音されたそうで当初はアルバムのラスト・トラックにする予定だったのだそう。

続く「more than words」はテレビアニメ『呪術廻戦』のエンディング・テーマに採用されており、前作の「光るとき」に比肩する屈指の名曲だと思う。

「永遠のブルー」もNTTドコモのCMソングとして今年の春にリリースされており、この二つの曲でまた大幅にファン層を拡大するのではないだろうか。

Dinosaur Jr.の向こうを張るかのようなラスト・トラック「FOOL」も実に痛快だし、今作も実に粒ぞろいの楽曲が並んでいる。

この作品に収録されている楽曲は全曲塩塚モエカのアコギ弾き語りで収録されていたとしても全然違和感を感じないのではないかと思えるくらいメロディの完成度が高い。

来春には初のアリーナ公演も予定されているようで、彼女達の快進撃はまだまだ続きそうだ。






2023年12月11日月曜日

怒涛

 











【今週の一枚】















ロンドンの電子音楽家Loraine Jamesによる5thアルバム。

2017年のデビュー以来Whatever The Weather名義の作品を含め6枚のフル・レングスを発表しており、実に制作意欲旺盛と言えるし、驚くことに一枚も「外し」ていない。

今作も全17曲、収録時間一時間強のボリュームだが、聴きどころは満載だ。

リズム・トラックを中心にテクニカルな意味では攻めまくっているが、ポップ・ミュージックとしての完成度がこのうえなく高い事に圧倒される思いだ。
打ち込み主体のトラックが並ぶなかM7「I DM U」ではBlack Midiモーガン・シンプソンが怒涛の生ドラム・プレイを披露している。

昨年佳作アルバムを発表したEden Samaraをはじめ、シカゴの新鋭KeiyaA、Marina Herlop、George Riley等豪華ゲスト陣が作品に彩りを添えており、Loraineが大いに影響を受けたTelefon Tel AvivのJoshua Eustisがマスタリングを手掛けている。



2023年12月4日月曜日










 

【今週の一枚】













yeulesoftscars [Ninja Tune 2023]

yeuleはシンガポール生まれで現在はLAを拠点に活動するNat Ćmielによるソロ・プロジェクトで今作が3rdアルバム。

昨年の2nd「Glitch Princess」に続いて1年のスパンでフル・アルバムをリリースという事で旺盛な制作意欲が窺える。

そのエキセントリックな風貌とヴィジュアル・イメージから相当ブッ飛んだサウンドが連想されるし、事実オープニング・トラックの「x w x」などは往年のDaisy Chainsawの KatieJane Garsideを彷彿させるような凄まじいスクリームを披露しているが、作品全体の印象としては極めて全うでオーソドックスかつ良質なドリーム・ポップ作に仕上がっている。

マイブラやヨ・ラ・テンゴからの影響を公言しているようだが、昨年傑作セカンドをリリースしたBeabadoobeeといい、90年代オルタナの系譜に連なるような若きアーティストの活躍はなんだか胸躍らされる。

前作に引き続き今を時めくMura Masaがプロデュースや演奏に参加している事でも話題を呼んでいる模様。