2015年12月12日土曜日

2015年12月7日月曜日

タダナラヌ



【今日の一枚】



Julia Holter - Have You in My Wilderness [Domino 2015]

MOJOUncutを初めとした数々の音楽専門誌が今年のベスト・アルバムに挙げ、ビルボード・チャートでも最高3位を記録したというのですから、今年最も成功した作品と言えるのでは。
個人的には9曲目の「Vasquez」の濃密なサイケデリック空間に只ならぬ迫力を感じましたです。

2015年11月26日木曜日

暗闇のなか



【今日の一枚】



Goldmund - Sometimes [Western Vinyl 2015]

Helios名義でも9月に新作をリリースしたばかりのKeith Kenniff君、Goldmundとして4年ぶりのニュー・アルバム。
見事な統一感、これぞ絶品クラシカル・アンビエント。
M6「A Word I Give」で坂本龍一がゲスト参加している事でも話題を呼んでいる模様。

2015年11月17日火曜日

三つ目



【今日の一枚】



Grimes - Art Angels [4AD 2015]

まー今に始まった事じゃないにしても、今回のアートワークも凄まじいセンス。
それに比べると音のほうは小奇麗にまとめてきたな、なんて思いつつ聴き進めていくうちに、ぐいぐい惹きこまれてしまった。
それこそハイパー・エレポップ速射砲連発状態なサウンドに圧倒されまくり。
「SCREAM」や「Kill V. Maim」みたいなエクストリーム&アッパーなトラックに耳を奪われるし、シングル・カットされた「Flesh without Blood」や「REALiTi」、そしてアルバムのラストを飾る「Butterfly」なんかのポップ・ソングとしての完成度は半端ないように思える。
それにしてもこのジャケット…。

2015年11月9日月曜日

Rich & Heavy



【今日の一枚】



Joanna Newsom - Divers [Drag City 2015]

ジョアンナ・ニューサム、5年振りとなる4thアルバム。
私生活ではコメディアンAndy Sambergと結婚、ポール・トーマス・アンダーソンの映画に出演&ナレーターを務めたり、といろいろ話題には事欠かなかったようで、↓の先行シングルのPVもポール・トーマス・アンダーソンが監督しているのだとか。
前作「Have One On Me」が3枚組の大作だった事を思うと、今作は11曲50分余りという通常仕様ではあるものの、実に丁寧に創りこまれた印象のサウンドには貫禄すら感じるし、本当に重厚感に満ちた仕上がりとなっている。
デビュー・アルバムの時点で既にアーティストとして完成していたと言っても大袈裟ではないと思うが、十年を超える活動を経て円熟期を迎えている印象。

2015年11月4日水曜日

可憐なKaren



【今日の一枚】

The Innocence Mission - Hello I Feel the Same [Korda Records 2015]

30年の活動歴を誇るイノセンス・ミッションの5年振りの新作ということで、まあ駄作なはずも無いだろうけど、それなりの仕上がりだろうなあなんて思いながら聴いてみて吃驚。
こりゃあ彼等のキャリアの中でも何本かの指に数えられる傑作なのでは。
どこまでも儚く優しく美しくて瑞々しい。
リッキー・リー・ジョーンズ然りで、年が幾つになっても少女のような可憐さを失わないKaren Perisの歌声に聞き惚れてしまう。

2015年10月27日火曜日

やまのうた



【今日の一枚】

Anna & Elozabeth - Anna & Elozabeth [Free Dirt 2015]

硬派アパラチアン・フォーク・デュオのセカンド・アルバム。
二人ともソロとしても活動しているんだそうですが、こりゃあかなりの本格派でしょう。
厳密にはそれぞれヴァージニアとケンタッキーの伝統音楽を継承したスタイルらしく、いずれにせよ時代を超越した迫力を感じます。
Gillian Welch姐さんもDave Rawlings Machineでのアルバム・リリース、ツアー開始だそうで嬉しい限り。






2015年10月17日土曜日

寵児



【今日の一枚】

Slow Meadow - Slow Meadow [Hammock Music 2015]

Hammockの秘蔵っ子、Matt Kiddのソロ・プロジェクト。
繊細なピアノにチェロとヴァイオリンの甘美な調べが絡みつく極上アンビエント。
百花繚乱のポスト・クラシカルのフィールドに、また見逃せない若者が一人。


2015年10月5日月曜日

おまけ



【今日の一枚】



Kurt Vile - b'lieve I'm goin down... [Matador 2015]

ウタモノ寄りの作風となったKurt Vileの新作は12曲で一時間余りという事で内容・ヴォリュームともに申し分無し。
どうやら3枚組のデラックスLP盤というのには6曲のボーナス・トラックが収録されているらしく、現時点ではApple Music経由では入手できない模様。
本編の雰囲気にそぐわなかったハードな曲調のトラックも含まれているらしく、それはそれでかなり聴いてみたかったり。

2015年9月29日火曜日

Too Short



【今日の一枚】



Beirut - No No No [4AD 2015]

まあクオリティに関しては概ね期待通りというか、このバンドがそうそうハズレを出す事も考え難いワケですけれども、如何せん短過ぎ。
9曲29分、って殆どEPやんか!
次はもっと長くて粘っこいの、作って欲しいなあ。


2015年9月25日金曜日

じっと



【今日の一枚】



Zedd - True Colors [Interscope 2015]

まあ今年は何といってもMadeonに尽きるワケですが、彼の音に出会わなかったら、このアントン・ザスラフスキ君ことZeddに興味を抱く事も無かっただろうなあ、なんて。
きらびやかなサウンド・メイキングや派手なステージングに目や耳を奪われがちですが、↓の動画を見るにつけ、曲作りにしても演奏にしても、音楽の基礎が本当にしっかりしている印象。
インタビューに応えて、電子音楽にのめりこんでいるのはここ数年のことで、将来はどんな音楽をやっているかは分からない、みたいな趣旨の発言をしとりましたけれど、確かにジャンルを超えて輝きを放つ才能のように思えます。

2015年9月14日月曜日

水夢



【今日の一枚】



Robin Bacior - Water Dreams [Good Mountain Record 2015]

カリフォルニア出身で現在はポートランドを拠点に活動するフィメイルSSWの2ndアルバム。
西海岸トラディショナル・フォークを下敷きに自身のピアノとコラボレーターDan Bindschedlerのチェロを主体としたアレンジ、そのうえ本人が滅茶別嬪、と来たらそれこそ文句無し!と言いたいトコロなのだけれど、少々優等生過ぎる仕上がりのような。
かなりしっかり作りこまれた上質な音なのは間違いないにしても、もうチト「こわれた」部分もあってもよさそうな気がしてしまう。

2015年9月7日月曜日

オトコマエ



【今日の一枚】



Lady Lamb the Beekeeper - After [Mom + Pop Music 2015]

ポートランド出身で現在はブルックリンを拠点に活動するLady Lamb The BeekeeperことAly Spaltroのニュー・マテリアル。
前作はBa Da Bing!レーベルからのリリースで、その繋がりからかBeirut(新作楽しみ!)とツアーを共にしたりもしていたのだとか。
どこかあどけなさを残す風貌とは裏腹な、男前なガレージ・ロックのテイストを前面に打ち出したサウンドに痺れまくり。
なんとも「粋」なお嬢さんだ。

2015年8月31日月曜日

わっさはっちー?



【今日の一枚】



Waxahatchee - Ivy Tripp [Merge 2015]

P.S.Eliotなどの活動で知られるアラバマ出身のKatie Crutchfield嬢のソロ・プロジェクトの3rdアルバムはMergeレーベルより。
これまた痛快至極なインディー・ギター・エモ・ロック。
若き日のThrowing Musesとか連想させられたりして。
なんとも発音しにくそうなバンド名はアラバマの川の名前から取ったんだそうな。

2015年8月24日月曜日

黙示録



【今日の一枚】



Jenny Hval - Apocalypse, Girl [Sacred Bones Records 2015]

ノルウェーのJenny Hval、Rune GrammofonからSacred Bones Recordsへの移籍第一弾アルバム。
昨年はSusannaコラボ・アルバムをリリースし、今年はSt. Vincentの北米ツアーに参加、と旺盛至極な活動ぶり。
こういうエクスペリメンタルなアプローチの音楽に「安定感」というのもオカしいけれど、Rockettothesky以来、ホント抜群の安定感。
今作にはJaga JazzistのØystein MoenやSwansのドラマーThor Harrisらがゲスト参加している模様。

2015年8月18日火曜日

うなぎのぼり



【今日の一枚】



San Fermin - Jackrabbit [Downtown 2015]

ブルックリンのチャンバー・ポップ・バンドのセカンド・アルバム。
フロントマンにしてコンポーザーのEllis Ludwig-Leone率いる8人組。
ヨーロピアン・デカダンなムードに洗練され、かつエモーショナルな演奏と職人気質なソング・ライティングが新鮮。
カナダのフィロソファー・キングスとかに近い空気も。
Ellisの艶っぽくも渋い歌声はSmogことBill Callahanを彷彿させる。

2015年8月11日火曜日



【今日の一枚】



Ben Lee - Love is the Great Rebellion [Warner Bros. 2015]

ノイズ・アディクトの鮮烈なデビューも今は昔、当時14歳だったベン・リーも見るからに「えーオッチャン」になっとるワケですけれど、このアルバムのサウンドに耳を傾けるにつけ、ポップ・マエストロの佇まい、といっても過言で無いような。
M2「Goodbye to Yesterday」はギター・ポップとしての完成度が半端ないし、「Don’t Let the Fire Die」のバグパイプも泣かせます。
若くして音楽の世界に足を踏み入れ、紆余曲折を経てこういう音の境地に辿り着いたんだなあ、と思うと実に感慨深い作品。

2015年8月5日水曜日



【今日の一枚】



Ela Orleans - Upper Hell [HB Recordings 2015]

ポーランド出身で現在はグラスゴーを拠点に活動するマルチ・インストゥルメンタリストEla Orleansのニュー・マテリアル。
無機質なビートに乗って紡がれるレトロ・ポップなメロディが印象的。
David LynchやThurston Mooreらがファンであることを公言しているらしく、新世代のカルト・ヒロインのひとりと言えそう。
今作はHowie Bがプロデューサーを務め、彼の主宰するレーベルHB Recordingsよりリリース。

2015年7月31日金曜日

誇示



【今日の一枚】



The Tallest Man on Earth - Dark Bird Is Home [Dead Oceans 2015]

Dead Oceansレーベルといえば今年は何といってもRyley Walkerが鮮烈な印象を残してくれたワケですが、The Tallest Man on EarthことKristian Matsson君もその存在を誇示せんばかりの充実作をリリース。
演奏の瑞々しさは今更強調するまでもないけれど、やはりこのヒトはメロディ・メーカーとしての才能が際立っていると思う。
それこそ全曲アカペラだったとしてもアリなんではなかろうか。

2015年7月24日金曜日

衰え知らず



【今日の一枚】



Rasputina - Unknown [Filthy Bonnet Co. 2015]

アルバム・デビューが1996年という事で、Rasputinaも来年で活動歴20年になるのだけど、こういう路線でこんなにも息の長い活動を続けるとは正直想像していなかったし、今回の新作を聴くにつけても、そのクオリティが全然衰えをみせていないことに驚きすら感じる。
Melora Creager女史の創作意欲はまだまだ旺盛、という事なんでしょうなあ。

2015年7月21日火曜日

Enfant Terrible



【今日の一枚】



SOAK - Before We Forgot How to Dream [Rough Trade 2015]

コートニー・バーネットのデビュー・アルバムが今年のハイライトのひとつなのは間違いないと思うけど、このSOAKことBridie Monds-Watsonの1stも負けず劣らずのインパクト。
北アイルランド出身の弱冠18歳、少年のような風貌のフィメイルSSW。
ティーンネイジャー特有の蒼さが魅力だけれど、それだけでは語り尽くせない、末恐ろしいまでのポテンシャルを秘めた大型新人ではないだろうか。

2015年7月7日火曜日

珠玉



【今日の一枚】



The Weepies - Sirens [Nettwerk 2015]

良質なソングライターを数多く抱えるNettwerkレーベルのなかにあって、その存在感が際立つ夫婦デュオのThe Weepies、5年振りの5thアルバム。
前作から5年も経つかなあ、なんて調べたら、なんと嫁さんのほうのDeb Talanが癌にかかってしまっていたそう。
闘病のすえ現在は回復したようで、今回の新作リリースに合わせて精力的にツアーも行っている模様。
重病の淵にあったことを全く感じさせないかのように、今作もまたこれまで同様に珠玉のフォーキッシュ・ポップ作品集に仕上がっているのは流石としか言いようがない。



2015年7月3日金曜日

鎮魂歌



【今日の一枚】

Robert Haigh - The Silence Of Ghosts [Siren Records 2015]

3枚続けてのピアノ・インストもこれで一旦終了。




2015年6月30日火曜日

コーコツ



【今日の一枚】



Fjordne - Moonlit Invocations [White Paddy Mountain 2015]

ジャズ・ピアノとアンビエント・エレクトロニカの見事な邂逅。
Fjordne(フィヨーネ)こと藤本俊一朗氏の6thアルバム。
このうえなく濃密で美しい音響世界に恍惚とさせられる。

2015年6月25日木曜日

さきがけ



【今日の一枚】



Rachel Grimes - The Clearing [Temporary Residence Ltd. 2015]

ポスト・クラシカルの先駆的存在として名高いRachel'sのレイチェル・グライムス、ソロ・アルバムとして6年振りとなる作品。
静謐なピアノの音色を基調としながら、LOSCILのScott Morganをはじめとした多彩なゲストを迎えてエモーショナルかつダイナミックな幽玄美の音世界を現出させている。
昨年秋に来日していたのですね。

2015年6月8日月曜日

同姓同名



【今日の一枚】



Jose Gonzalez - Vestiges & Claws [Mute 2015]

Wikiに載っているだけでもこれだけあるという事はヒスパニック圏でホセ・ゴンザレスという名前はそれこそ無数にあるんでしょうなあ。
そんな事はともかくとして、アルゼンチン系スウェディッシュSSWの8年振りの3rdアルバムは前作に引き続きMuteレーベルより。
シンプリシティの極致とでも言えそうなその世界観は微動だにしていない印象。
引き算の美学を貫いている音楽。

2015年6月1日月曜日

貫禄



【今日の一枚】



Giant Sand - Heartbreak Pass [New West Records 2015]

砂漠のルー・リード、デザート・ロックの雄と呼ばれ米インディー界において異彩を放ってきたHowe Gelp率いるGiant Sandの新作はデビュー30周年記念盤。
世界各国を股にかけてレコーディングが進められたそうで、リラックスしたムードのなかにも貫禄を感じさせる仕上がり。
Sonic YouthのSteve ShellyやGrant-Lee Phillips等がゲスト参加している。