2019年5月27日月曜日

大御所



【今日の一枚】



The National - I Am Easy To Find [4AD 2019]



Spoonなんかと並んで勢いのある若手アメリカン・インディー・バンドという括りで見ていたのが、今や結成20年、今作で8作目のフルアルバムをリリースする大御所バンドとなったThe National
現在の4ADを代表するバンド、といえば彼等を挙げる向きも少なくないのでは。
お世辞にもイケてるとは言えない風貌のオッサン5人組がこんなにレスペクトを集めるロック・バンドとして君臨しているのはある意味痛快。
今作はMike Millsが監督を務めた同名の映像作品が発表された事でも話題を呼んでいる模様。
Lisa HanniganSharon Van Ettenほか数々のフィメイル・アーティストをゲストで迎えるなかでもThis is the KitことKate Stablesが参加しているのに感動しまくり。

2019年5月18日土曜日

Paradox



【今日の一枚】



Fennesz - Agora [Touch Music 2019]

オーストリアのFenneszことChristian Fenneszの5年振りのアルバムは英国音響レーベルTouchより。
不都合でスタジオを利用出来なかったらしく、ベッドルームに限られた機材を持ち込んで制作されたようだが、そんな背景は微塵も感じさせないスケール感溢れるアンビエント・ドローン・ノイズ・オーケストレーション作品。
タイトルのAgoraは「広場」の意味もあるそうで、狭い個室で作られた事を思うと逆説的で面白い。


2019年5月13日月曜日

ティーンだぜ!



【今日の一枚】



Teen Daze - Bioluminescence [Flora 2019]

カナダのJamison IsaakによるTeen Dazeの2年ぶりの6thアルバム。
2010年のデビュー・アルバム以来デジタルとナチュラルの融合をメイン・コンセプトとした作品をコンスタントにリリースしてきたプロジェクトだが、今作においてもオーガニック電子音の世界が遺憾なく展開されている。
アコギの音色が印象的なM2「Spring」のリリシズム、先行1stシングルとしてリリースされたM3「Hidden Worlds」の高揚感、そしてラストを飾る「Endless Light」の幽玄美はどれも格別な響きとして脳裏に刻まれる。


2019年5月7日火曜日

デジャヴ



【今日の一枚】



SOAK - Grim Town [Rough Trade 2019]

2015年のデビュー・アルバムの印象が鮮烈だった北アイルランドのフィメイルSSW、SOAKの4年振りとなる2nd。
リリースは前作に引き続き英インディーの老舗Rough Tradeより。
これがセカンド・アルバムのジンクスを吹き飛ばしてくれるような素晴らしい仕上がり。
楽曲の粒の揃い方が半端ないレベルだと思う。
何の変哲もないノスタルジックなテイストのドリーミー・ポップのようで、彼女の声質も相俟って実にオリジナリティ溢れる音楽が展開されている。
それにしてもまだ23歳なんですな。