2017年10月27日金曜日



【今日の一枚】



Hanne Hukkelberg - Trust [Propeller Recordings 2017]

ノルウェイのHanne Hukkelberg、5年ぶりの5thアルバム。
2004年のデビュー作「Little Things」には当時本当に感銘を受けたものだけれど、その後の作品は落胆させられたとは言わないまでも、いまひとつピンと来なかったのが正直なトコロ。
しかしながら今作はかなりイイ線行ってるのでは。
彼女特有のエクスペリメンタル・ジャジー・ポップの世界を堪能出来る仕上がりだと思う。
全9曲30分あまりと短尺なのがチト物足りない気もせんでないけど、今後の活動にも期待したいトコロ。

2017年10月23日月曜日

ゲルマニウム



【今日の一枚】



Canon Blue - Lasso Yo [Temporary Residence 2017]

ナッシュビルのDaniel Jamesのプロジェクトの6年ぶりの3rdアルバム。
今回はTemporary Residenceに移籍しているが、前2作はデンマークのRumraketからのリリースだったようで、レーベル繋がりでEfterklangGrizzly BearSigur Rosのストリングスで知られるAmiinとの交流もあったそう。
先鋭的かつ実験色の強いアーティスト達とのコネクションを持ちつつも今作で展開されているのは実にオーセンティックな王道チャンバー・エレポップ。
サウンドの完成度もさることながらメロディのクオリティが非常に高い楽曲が並んでいる印象。
Spookey Rubenとかこういう路線を追求する道もあったのでは、なんて思わされた。
TortoiseJohn McEntireがプロデュースを務めている事でも話題を呼んでいる模様。

2017年10月18日水曜日

ソクバク



【今日の一枚】



Zola Jesus - Okovi [Sacred Bones 2017]

MUTEレーベルに移籍してリリースされた前作「Taiga」から3年、古巣Sacred Bonesに復活して発表された5thアルバム。
インディー回帰して実験色を強めた作品になるのでは、と予想していたのが、実際蓋を開けてみると各段にスケール・アップした印象のアルバムに仕上がっていて面白い。
間違いなくキャリア・ベストと言えるだろうし、今作をもって当代ゴス・クイーンの座を確固たるものにしたと言えるのでは。
タイトルのOkoviはスラブ語で「束縛」という意味なのだとか。

2017年10月14日土曜日

ネクスト



【今日の一枚】



Phoebe Bridgers - Stranger in the Alps [Dead Oceans 2017]


数年前のiPhone5sのCMでPixiesの「Gigantic」がカバーされててそれが滅法格好良かったワケですが、実はアレを歌ってたのがこのPhoebe Bridgersと知って吃驚。
22歳にしてデビュー・アルバムに漕ぎ着けた彼女、元はRyan Adams主宰のPAX-AMレーベルからEPをリリースしていたのだとか。
Ryanは「Next Bob Dylan」なんて手放しの絶賛ぶりだそうだけれど、それは大袈裟にしても「Next Aimmee Mann」くらいは十分有り得るのでは?
Bright EyesのConor Oberstがゲスト・ヴォーカルで参加していたり、作品のクライマックスでMark Kozelekの曲のカバーを披露していたり、と正に聴きドコロ満載の作品。


2017年10月10日火曜日

森のなか



【今日の一枚】

Akira Kosemura - In The Dark Woods [1631 Recordings 2017]

静謐極まりないピアノの調べが紡がれていくなか、突如として鳴らされる怒涛のようなストリングス。
息を吞む程にうつくしい。






2017年10月2日月曜日

宝庫



【今日の一枚】



Gordi - Reservoir [Jagjaguwar 2017]

GordiことSophie Paytenのデビュー・アルバムはJagjaguwarより。
現在はシドニーを拠点に活動する彼女、元はCanowindraという小さな町の牧場で生まれ育ったのだとか。
EBTGTracey Thornを彷彿させる声でなかなか悪くないな、なんて聴き進めていくうちに、そのスケールの大きさに驚かされてしまった。
同じ豪州繋がりで言えばCourtney BarnettというよりむしろSIAGotyeと同列に語られて然るべきアーティストのように思える。
レーベル・メイトのBon Iverがそうだったように、彼女もインディーズの枠を超えて多くのリスナーに訴求する存在になるんではなかろうか。