2021年12月28日火曜日

Selection 2021






01.Chivalry Is Not Dead - Hiatus Kayote

02.Tempest - Stefano Guzzetti

03.Phases (ft. Sharrif Simmons) - quickly, quickly

04.Introvert - Little Simz

05.Other You - Steve Gunn

06.partner - Ada LeaBruno Pernadas

07.VIEWS - Noga Erez

08.On Our Hands - Suzanne Kraft

09.The Myth - Balmorhea

10.Brio 81 - Bruno Pernadas

11.Amphetamines - Topaz Jones

12.Rocky Trail - Kings of Convenience

13.Running Like That - Loraine James

14.Kinney - Rostam Batmanglij

15.In My Arms - Lou Barlow

16.Call Me Anytime - Erika de Casier

17.The Eighth Day - Akira Kosemura

18.Musician - Porter Robinson

19.Julia (Deep Diving) - Fred again..

20.Light Gutter - Iglooghost

21.Repeat - Julien Baker

22.Sweetest Revenge - Rhye

23.Eugene - Arlo Parks

24.Land (feat. Justin Vernon) - CARM

25.Jody - A Girl Called Eddy

26.Broken Sleep - Agnes Obel

27.Robert Lowell and Sylvia Plath - Aimee Mann

28.Circles - Sóley

29.Empath - Stray Theories

30.Billie (Loving Arms) - Fred again..

Best Albums 2021

 













Sóley - Mother Melancholia [Sóley]

Steve Gunn - Other You [Matador Records]

Topaz Jones - Don't Go Tellin' Your Momma [New Funk Academy]

Bruno Pernadas - Private Reasons [Pataca Discos]

Helado Negro - Far In [4AD]

Aimee Mann - Queens of the Summer Hotel [SuperEgo Records]

Fred again.. - Actual Life [Again.. Records]

Sturle Dagsland - Sturle Dagsland [Sturle Dagsland]

CARM - CARM [37d03d]

Makaya McCraven - Deciphering the Message [Blue Note]


#2021年ベストアルバム

#ベストアルバム2021 

#AOTY2021

2021年12月27日月曜日

連荘
















 【今日の一枚】













Jónsi - Obsidian [Krunk 2021]

昨年10年振りのセカンド・ソロを発表したSigur RósのJónsiが今年リリースした3rdソロ・アルバム。

かなり短いインターバルだが、NYのTanya Bonakdar Galleryにて開催された同名のVisual Art Installationに合わせて発表されたという経緯のようだ。

全10曲一時間超の収録時間だが、見事としか言えない統一感で、その壮大かつ深遠極まりない音世界は唯一無二のものだと再認識させてくれる。

共同プロデュースとミックスはPaul CorleyとNathan Salonによって手掛けられており、フィジカル盤はなくデジタル・フォーマットのみのリリースの模様。

今年の4月にはTom Clancy原作の映画「Without Remorse」のサウンドトラックまで手掛けてたというのだから底知れぬ創作意欲ではなかろうか。





2021年12月20日月曜日

農園歌手










 

【今日の一枚】













Catbug - Slapen Onder Een Hunebed [Cosmic Pet 2021]

ベルギーのAntwerpを拠点に活動するフィメイルSSW、CatbugことPaulien Rondouによるセカンド・アルバム。

bandcampでは自らを「farmer-songwriter」と紹介しているが、実際に農場を営んでいるのだとか。

簡素極まりないアレンジでありながらもどこまでも優しく、そっと寄り添うかのようなアコースティック・サウンド。

スロウコアのサウンドに近い部分もありながら、音の根底に流れている思想が全く正反対のように思える。

Facebookで想像もしていなかったという日本での反響に驚きつつ凄く喜んでいて微笑ましい。

アドレスに「meowmeowcatbug」と多用している辺り、かなり猫好きなんでしょうな。












2021年12月13日月曜日

還暦姐さん


















【今日の一枚】













Aimee Mann - Queens of the Summer Hotel [SuperEgo Records 2021]

エイミー姐さんも1960年生れという事で還暦なんですな。

しかし4年振りのリリースとなったこの新作アルバムを聴くにつけ、全く衰えを感じさせず、むしろその堂々たる貫録に圧倒される思いが。

'Til Tuesdayのデビューから40年近く経過するなか、まだまだこれから、を期待させてくれるのは凄いの一言。

メロディも冴え渡り、声も艶がありまくり。

作品の当たり外れがないアーティストだというのは衆目の一致するところだけど、これは2000年の「Bachelor No. 2 or, the Last Remains of the Dodo」に匹敵する傑作なのでは。

ホーンを多用したミュージカル風のアレンジもハマっているが、元々は映画「Girl, Interrupted(邦題は17歳のカルテ)」の原作の舞台化のために書き下ろした楽曲をベースに作られた作品なのだとか。

作品の制作にあたってはこれまた盟友的存在のPaul Bryanがいつも通りの良い仕事ぶり。








2021年12月6日月曜日

人生インプロヴィゼーション
















【今日の一枚】
















シカゴを拠点に活動する気鋭のジャズ・ドラマーMakaya McCravenの新作アルバムは老舗Blue Noteレーベルへの移籍第一弾。
1953年から1969年にかけて録音されたBlue Noteの音源をサンプリングし、仲間のミュージシャンそして自らの演奏を被せて編集したリミックス・アルバムとなっている。
いわば架空のライブ・アルバムというべき体を為しているが、あたかもジャズ・クラブの喧騒と観客の息吹が伝わってくるかのような臨場感を醸し出している。
ヒップ・ホップにも大いに影響を受けているらしく、作品のそこかしこにヒップ・ホップ的なサウンド・アプローチが試みられているのも面白い。
名を成したジャズ・ドラマーを父に持ち、音楽のエリート教育を受け卓抜した演奏力を持つドラマーとして各地を股にかけ活躍する一方で、「録音・編集」に只ならぬ拘りを持ち作品に昇華させるその手腕は見事としか言いようがない。
往年のBlue Note作品を彷彿させるタイポグラフィのアートワークが素晴らしいが、配信で聴くとキャンパスに文字が徐々に並んでいく趣向が凝らされていて、これまた粋だ。








2021年11月29日月曜日

メランコリック・ディスコ








 

【今日の一枚】












Fred again.. - Actual Life 2 (February 2 – October 15, 2021) [Again.. Records 2021]

凄腕プロデューサーとして名を馳せるFred again..ことFred John Philip Gibson。

今年の4月にリリースされた前作には大層衝撃を受けたものだけれど、なんと同じ年に続編をリリースしてくれるとは。

厳密にはソロ・デビュー作であった前作は2020年に制作されたもので、今作はタイトルにもある通り今年の2月から10月にかけてレコーディングが進められたようだ。

それにしてもこんなに濃密でハイレベルな音楽を立て続けに作れるその手腕に感服させられる。

極上メランコリック・ディスコ・ミュージック、どこまでも切なく儚げなエレクトロ・サウンド、最高過ぎる。









2021年11月22日月曜日

このひかり










 

【今日の一枚】













Stray Theories - This Light [n5MD 2021]

豪州出身で現在NZオークランドを拠点に活動するMicah Templeton-WolfeによるStray Theoriesのニュー・アルバム。

自らCinematic Ambient Electronicaを標榜する彼、ただひたすら美しいインスト作だ。

Dirk Wuestenhagenによるアートワークが実に音楽にフィットしている。

先行リリースされたM5「Empath」のみDestiny Templeton-Wolfeのヴォーカルがフィーチャーされているが、一曲だけでは勿体ないような。

いずれにしてもこのテの音だとEndless Melancholyと並び立って外れのないアーティストだと思う。











2021年11月15日月曜日

メランコリア










 


【今日の一枚】













Sóley - Mother Melancholia [Sóley 2021]

アイスランド・レイキャビクのSóley Stefánsdóttirによる新作アルバム。

もともと浮世離れした音楽性の作品をリリースしてきていたし、アートワークも時としておどろおどろしいという形容が似合うものも有ったけど、今回は完全に突き抜けてお化けになってしまった印象。

SNSで垣間見れる普段のリラックスした雰囲気との落差が愉しいし、個人的には今年のベスト・アルバム・ジャケット。

それにしてもつくづくExperimental Popとポスト・クラシカル、そしてゴスが絶妙なバランスで併存した音楽だと思う。

楽曲単位では先行シングルとなったオープニング・トラック「Sunrise Skulls」やM7「In Heaven」もイイがM2「Circles」が突出しているように感じられた。

エンディングをドローン・インスト「Elegia」で締めている趣向も粋。








2021年11月8日月曜日

エイダ










 

【今日の一枚】













Ada Lea - One Hand On The Steering Wheel The Other Sewing A Garden [Saddle Creek 2021]

数多の優れたSSWを輩出してきたカナダからまた一人その系譜に名を刻むアーティストが。

モントリオールを拠点に活動するAda LeaことAlexandra Levyによるセカンド・アルバム。

リリースはエモの総本山レーベルSaddle Creekより。

佳曲揃いの今作にあって独特の疾走感と浮遊感が同居するM4「Patner」とそれに続くリリカルなアコースティック・ギターにのせて紡がれるM5「Saltspring」あたりがハイライトのように思えるが噛み締めるように歌われるオープニング・トラックの「Damn」、そしてラスト・トラック「Hurt」も中毒性が高い。

奇しくもレーベル・メイトで同じカナダ出身のElizabeth Powell率いるLand of Talkも新作アルバムが間近との事でこちらも楽しみ。







2021年11月1日月曜日

カルロス









 

【今日の一枚】













Helado Negro - Far In [4AD 2021]

エラード・ネグロことRoberto Carlos Langeの2年振り8枚目のソロ・アルバム。

Scott HerrenのSavath & Savalasへの参加やJulianna Barwickとのコラボレーションでも知られる彼、初期の作品はSufjan Stevens主宰のAsthmatic Kittyレーベルからリリースしていたがその後RVNG Intl.に所属、今作が4ADへの移籍第一弾となった。

もとは耽美派レーベルとして名高い4ADだが、レーベル・カラーがぐっと多様化した昨今を想うと彼のようなアーティストにはうってつけのように感じられた。

エクアドル移民のルーツを持つエラード・ネグロ、楽曲によって英語とスペイン語を使い分けているが全然違和感は感じられず、作品の統一感は損なわれていない。

先行リリースされたM2「Gemini and Leo」の飛びぬけたポップネスが痛快だし、ディープなサウンドのM10「Brown Fluorescence」も印象深いが、彼の美声が堪能出来るアコースティックなM11「Wind Conversations」に特に心奪われた。






2021年10月25日月曜日









 

【今日の一枚】














Cleo Sol - Mother [Forever Living Originals 2021]

SAULTのメンバーとして、またLittle Simz作品への客演で知られるCleopatra "Cleo Sol" Nikolicのセカンド・アルバム。

丁度10年前にグライムのシンガーとしてキャリアをスタートした彼女、ソロ作においてはオーガニックR&Bというべきナチュラル路線で、往年のフィメイルSSW作品の佳作の数々を彷彿させるような音を志向している。

自身の出産の経験を経て制作された本作「Mother」も本当に慈愛に溢れた作品で、抑制されたアレンジも相俟って、聴く度に癒される。

プロデュースは前作に引き続き盟友Infloが務めた模様。








2021年10月18日月曜日

未来










 


【今日の一枚】













Hiatus Kaiyote - Mood Valiant [Brainfeeder 2021]

メルボルンのフューチャー・ジャズ・ファンク・バンドHiatus Kaiyoteの6年振りの3rdアルバムはFlying Lotus率いるBrainfeederレーベルへの移籍第一弾となった。

各方面で高い評価を得て賞賛された2015年の「Choose Your Weapon」リリース後のツアー中に制作がスタートし、2018年頃には大枠が出来上がっていたところにフロント・ウーマンNai Palmが癌の手術をし、その後完成に漕ぎ着けるもコロナ禍でリリースが遅れて今年になったという経緯のようで奇しくも結成十年目の節目に発表となった。

先行シングルのM5「Get Sun」はブラジルのArthur Verocaiをゲストに迎え、リオデジャネイロで録音されている。

終盤のメロウ&ディープな曲調のネオR&B路線味わい深いが、個人的にはM3「Chivalry Is Not Dead」がハイライト。

唸りを上げるチョッパー・ベースに縦横無尽に絡みつくかのような変幻自在のヴォーカルには聴く度に圧倒される思いが。

再々延期となっているThundercatの来日公演に一緒に来てくれんかなあ。









2021年10月11日月曜日

ひかり

 











【今日の一枚】













Stefano Guzzetti - Lumen [2020 Editions 2021]

2018年のイタリア文化会館でのフリー・コンサートが実に感動的だったStefano Guzzettiのニュー・アルバム。

その旺盛な活動意欲により数々のアーティストとのコラボレーションやピアノ・ソロ作品をリリースしている彼だが、あの時のコンサートがStefano Guzzetti Ensembleというスタイルで自身のピアノとストリングス三重奏というフォーマットだったように、やはりこの組み合わせが一番しっくり来ているように感じる。

そういう意味では今作は2016年のアルバム「Leaf」と対を為す位置づけと言えるのかも知れない。

どちらかというとピアノよりストリングスを前面に打ち出したアレンジの佳曲がならぶなか終盤にストリングスのみの「Tempest」で盛り上がってピアノ主体の「Bubble (for Vaughan)」で締めるという構成となっている。

それはそうとアートワークが90年代4ADっぽいなあ、と思っていたら、実際に数多くの4AD作品を手掛けたChris Biggの手によるものだそう。











2021年10月4日月曜日

ハタチ
















 【今日の一枚】













quickly, quickly - The Long and Short of It [Ghostly International 2021]

quickly, quicklyはオレゴン州ポートランドのGraham Jonsonによるソロ・プロジェクト。

弱冠ハタチだという彼、これまでもSoundCloudなどネット上で作品を発表、高い評価と大きな反響を獲得してきたが、Ghostly Internationalレーベルとの契約を勝ち取り、今作が同レーベルからのデビュー作。

幼い頃からピアノ演奏に親しみ、小学生にしてJディラの音に感銘を受けて自らの音作りに勤しんできたそうだが、実際にこの作品で鳴らされている音は驚く程の完成度を誇っている。

ビート・メイカー、コンポーザー、アレンジャーそしてマルチ・インストゥルメンタリストとしてその才能を全編にわたって遺憾なく発揮しており、これを早熟の天才と言わずして何をか謂わん、というか。

オープニング・トラックにフィーチャーされているのはSharrif Simmonの即興で書かれたという詩でこれまた途轍もなくクールだ。










2021年9月27日月曜日

花園











 

【今日の一枚】













Satomimagae - Hanazono [RVNG Intl. 2021]

茨城県出身で現在東京を拠点に活動するサトミマガエ、4年振り4作目のアルバム。

前2作は畠山地平主宰のWhite Paddy Mountainレーベルからリリースされていたが今作はRVNG Intl.への移籍第一弾となった。

海外レーベルからの作品という事がきっかけになったのか、英語での歌唱も取り入れられているが、元々日本語でも何を歌っているのかワカらないようなスタイルなので、あまり違和感はない。

それにしても相変わらずのオリジナリティで、近しい雰囲気では一時期のジュリー・ドワロンやタラ・ジェイン・オニイルなんかが連想されるけど、やはり彼女の音楽は唯一無二のものだと思える。

ライブではこの世界観がどう再現されるのか、一度是非この眼で観てみたいものだ。










2021年9月21日火曜日

寵児










 

【今日の一枚】













Little Simz - Sometimes I Might Be Introvert [Age 101 2021]

女優としても活躍する英国人ラッパーLittle Simzによる2年振り通算4作目のフル・アルバム。

高い評価を受けた前作「Grey Area」でその存在を広く知らしめた彼女だが今作は正にジャイアント・ステップを踏み出した作品として後に語り継がれるのでは。

先行リリースとなったファースト・トラック「Introvert」の大胆なオーケストレーションの導入に驚かされるが、アルバム一枚を通じて音楽の幅はかなり広がりを見せており、19曲65分の大作という事も相俟って一種のコンセプト・アルバムの様相を呈している。

一人のラッパーとして、というよりは現代における最重要ポップ・アイコンとして、益々注目される存在であることは疑う余地も無い。







2021年9月13日月曜日















【今日の一枚】













Steve Gunn - Other You [Matador Records 2021]

Pennsylvania出身でBrooklynを拠点に活動するSSWスティーブ・ガンによる新作アルバム。

Kurt Vileのバック・バンドThe Violatorsにギタリストとして所属していた彼、正にこういうヒトこそがミュージシャンズ・ミュージシャンと呼ばれるに相応しいと思える。

今作も大御所Bridget St. JohnをはじめMary Lattimore、Julianna Barwick、Jeff Parkerといった豪華絢爛な客演陣が作品に彩りを添えている。

どこかボヘミアン風というか様々な音楽に影響を受けたであろう印象の味のあるウタモノ作が並ぶなかで唯一異彩を放っている幻想的なインスト「Sugar Kiss」などは作品の冒頭もしくは最終に収められそうなところをあえてラストの前に配置しているのは本人の拘りがあるようだ。

プロデュースはBeckやElliott Smithの作品で名高いRob Schnapfが務め、彼の所有するLAのMant Sounds Studiosでレコーディングが行われた模様。










2021年9月6日月曜日

かがやき










 

【今日の一枚】













Loscil - Clara [Kranky 2021]

バンクーバーを拠点に活動するLoscilことScott Morganの15thアルバム。

ブダペストの22ピースの弦楽オーケストラによって演奏された音源を3分間のトラックに編集、一旦7インチのレコードにし、それをサンプリング、加工して10曲70分の作品に仕上げる、という半ば偏執狂的ともいうべき工程を経て生み出された大作。

聴きようによってはヒーリング・ミュージックとも捉えられるかもしれないけど、細部に耳を傾けると、その只ならぬ拘りが散りばめられていて圧倒される。

アルバム・タイトルのClaraはラテン語で光り輝く、という意味があるそうだ。







2021年8月30日月曜日

黄色








 

【今日の一枚】













Emma-Jean Thackray - Yellow [Movementt 2011]

ヨークシャー出身で現在はロンドンを拠点に活動するマルチ・インストメンタリスト、プロデューサーのデビュー・アルバム。

ヨークシャーはブラスバンドが盛んな土地だそうで彼女もコルネット奏者としてブラスバンドに参加していた模様。

しかしアートワークなんかを見るにつけヤバそうな雰囲気がひしひし感じられ、超難解なスピリチュアル・ジャズみたいなのが延々と展開されていたらついていけんかもな、なんて想像しつつ聴き始めてみるとこれがまた拍子抜けするくらい「聴きやすい音楽」。

シリアスな楽曲も含めアルバム全体を覆うオープンでポジティブなフィーリングが実に素晴らしい。

本人も「ジャズ・ノット・ジャズ」みたいな考え方の持ち主らしく、(特に70年代を中心とした)ブラック・ミュージック全般を俯瞰したかのような音だと思う。

あとヴォーカルは何人かのゲストを迎えているのかな、なんて思っていたら、実は殆ど彼女自身が歌っていると知って驚かされた。



2021年8月23日月曜日

落差













 【今日の一枚】













Noga ErezKIDS [City Slang 2021]

イスラエル、テルアビブを拠点に活動するNoga Erezの4年振りのセカンド・アルバム。

Jerusalem Academy of Music and Dance出身で兵役中は軍楽隊に所属していたというユニークな経歴を持つアーティストだ。

モデルと見紛わんばかりの美貌を持つ彼女、R&B寄りのフェミニンなイメージの音を想像させられるが、ストロング・スタイルのヒップ・ホップ路線でその落差も愉しい。

凝った作りの映像MVも多く発表しておりアルバムと併せて楽しめる。








2021年8月16日月曜日

ぐっと










 

【今日の一枚】















ClairoことClaire Elizabeth Cottrillのセカンド・アルバム。
1stとは趣を変えてソフィスティケートされ、ぐっと大人っぽくなった印象だが、こういうのも悪くない。
Mura Masaの「I Don’t Think I Can Do This Again」でのコラボとかサイコーだったし、これからも幅広い活躍を期待したいトコロ。








2021年8月2日月曜日

きみについて














 


【今日の一枚】














Suzanne Kraft - About you [Melody As Truth 2021]

LA生れでアムステルダムを拠点に活動していたプロデューサーDJ、Suzanne KraftことDiego Herreraのニュー・アルバム。

これがなんとも懐かしい音で本人もインタビューでBurt BacharachやElvis Costelloに多大な影響を受け、Blue NileやPrefab Sprout、Teenage Fanclubをよく聴いていた、なんてコメントが。

シューゲイザーの影響も色濃いようで個人的にはRocketshipなんかを連想させられた。

つまりはサイコー、という事ですな。







2021年7月19日月曜日










【今日の一枚】













Balmorhea - The Wind [Deutsche Grammophon 2021]

ポスト・クラシカルというものを強烈に意識させられた作品と言うのは幾つかあるけれども、このテキサスのバルモレイの2008年の作品「Rivers Arms」などは正にそのうちの一枚に挙げられる。

その後もコンスタントにとは言えないまでも数年に一度Western Vinylよりアルバムを発表してきた彼等、今作はドイツ・グラモフォンへの移籍第一弾となった。

パイプ・オルガンやピアノ、ストリングスにアコースティク・ギター、ポエトリー・リーディングに女声コーラスとひとつひとつの音が実に丁寧に作りこまれており、本当に美しい。

長く愛聴していけそうな予感がする佳作だと思う。








2021年7月12日月曜日

理由








 

【今日の一枚】













Bruno Pernadas - Private Reasons [Pataca Discos 2021]

ポルトガルのリスボンをベースに活動するBruno Pernadasの4枚目のアルバム。

音大でジャズを専攻し、卒業後はそこで教鞭を取りつつミュージシャンとして活動するという異色の存在。

自分の教え子と一緒にライブをするというのも面白い。

自らの音楽を「スペースエイジ・ポップ」と呼んでいたりもしたそうだが、今作については

「未来的なアフロビート」がテーマとの事。

13曲収録時間1時間15分と長尺だがバラエティ豊かなサウンドで全く飽きさせない。

ブラジリアン・ポップ調のM2「Lafeta Uti」やヘヴィ・サイケっぽいM10「Brio 81」、壮大なスケールのシンフォニック・チューンのM12「Step Out of the Light」あたりに特に感銘を受けた。





2021年7月5日月曜日

キレッキレ

 




【今日の一枚】














Topaz Jones - Don't Go Tellin' Your Momma [New Funk Academy 2021]

ニュー・ジャージー出身のTopaz Jones、5年振りの3rdアルバム。

父Curt Jonesはファンク・バンドのギタリストとして活躍したミュージシャンで、その影響もあってか幼少の頃から曲作りをしていたようだ。

オーセンティック・ファンク、メロウR&Bの影響色濃いサウンドにキレッキレのラップ…と書くとどうにもありふれた印象を与えてしまいそうだが、実にシャープかつカラフルな音空間を現出している。

今作のリリースに先駆けてrubberbandと組んで制作された同名の映像作品はサンダンス映画祭の「ベストノンフィクション短編映画」賞を受賞した模様。








2021年6月28日月曜日

いかにも










 

【今日の一枚】













Kings Of Convenience - Peace or Love [EMI 2021]

ノルウェーのキングス・オブ・コンビニエンス、12年振りの4thアルバム。

衝撃的なデビュー・アルバムが2001年という事は丁度20年前になる。

当時Turin BrakesBen & Jasonなんかと併せ愛聴していたのが懐かしい。

それにしても月日が流れたのを全く感じさせないというか、逆に言えばそれくらいデビュー当時から音が完成されていたという事なのだろう。

リード・シングルのM2「Rocky Trail」などはイントロからして「いかにも!」な音で思わず頬元が緩んでしまう。

2ndアルバムで客演していたFeistが今作においても2曲でボーカルを披露している。