2023年2月27日月曜日

連作


















【今週の一枚】 














Skrillex - Quest For Fire & Don’t Get Too Close [OWSLA 2023]

その華麗かつ多彩な活動振りで知られるEDM界の巨頭Skrillexだがソロ・アルバムは2014年のデビュー作「Recess」のみだったのが、今年に入って突如9年振りの続編を発表、それも連日2枚の作品をリリースした。

最初に出した「Quest For Fire」が全15曲43分、続く「Don’t Get Too Close」が12曲34分収録という事でプレイリストにしてまとめて聴く事にした。

これまでも数え切れない程多くのアーティストとのコラボレーションを行ってきた彼、今回の2作27曲も自身名義のみのトラックは1曲のみで、残りは全曲ゲストを招いて制作されている。

Four TetやFred Again..,そしてPorter Robinsonといった面々の名前に思わず頬が緩んでしまうが、Nai Barghoutiを迎えたインド音楽調の「Xena」やPrentiss & Anthony Greenが名を連ねる「3am」といった楽曲には大いに感銘を受けたし今をときめくPink Pantheressと組んだ「Way Back」なんかはチャートを席捲しても全然おかしくないポテンシャルを秘めた楽曲のように思えた。

1988年1月生まれの35歳、これからまだまだ大暴れを期待したい。








2023年2月20日月曜日

軋み









 

【今週の一枚】













Afternoon Bike Ride - Glossover [Friends Of Friends 2023]

Afternoon Bike Rideはケベック州モントリオールを拠点に活動するトリオで、今作が2年ぶりのセカンド・アルバム。

アコースティックなサウンドを基調としつつも、独特な浮遊感を醸し出しているのは三人のメンバーがそれぞれプログラミングにも携わって絶妙な電子音処理を施したトラック・メイキングが為されている事に起因するようだ。

紅一点のLiaがボーカルの曲が多いがDavidとÉloiも歌を披露しており、素晴らしいハーモニーを聴かせてくれる。

殆どの曲が英語詞だが土地柄かM7「Ensemble Mais Perdu」のような仏語詞の曲も収録されており、全く違和感はなく、むしろ比率を増やしても良いのでは、と思わされた。

Julie Doironの2001年の傑作「Desormais」を想起させられたりしたが、そういえば彼女もカナダ人だったな。






2023年2月13日月曜日

本名

















 【今週の一枚】













さらさ - Inner Ocean [ASTERI 2022]

湘南・茅ケ崎出身のフィメイルSSWのデビュー・アルバム。

Samm Henshawやgirl in red、FKJ等を擁するASTERI ENTERTAINMENTから唯一の日本人リリースとなった。

2021年7月にデビュー・シングル「ネイルの島」を発表して以降、数々の音源を発表し、昨年のフジ・ロックにも出演してそのパフォーマンスは大いに注目された模様。

最初に「このまま(EPネイルの島収録)」のライブ演奏をYOUTUBEで見た際に「これは宇多田ヒカル以来の才能では。和製Sadeにすら成り得るかも」なんて思わされたものだけど、今作を聴きこんで、その最初の直感は決して外れていなかったと確信に至っている。

今作のリリース・パーティのLIVE公演は即刻ソールド・アウトで、追加公演も同様だが、今年必ずどこかで観てみたい。

ちなみに「さらさ」は芸名ではなく本名なのだとか。






2023年2月6日月曜日

カモミール






















 【今週の一枚】














Marine Eyes - Chamomile [Past Inside the Present 2023]

Marine EyesはLAを拠点に活動するCynthia Bernardによるソロ・プロジェクトで今作がセカンド・アルバム。

リリースは米国アンビエント・レーベルPast Inside The Presentより。

白日夢を見ているかのような幻想的かつ幽玄なサウンドが展開されているが、基本はインスト作品で彼女自身の声も楽器の一部のようにコーラス主体。

そんななかcity of dawnがアディショナル・ギターでフィーチャーされたM6「what’s on the inside」は明瞭な自身のヴォーカルで歌われており、もう少しヴォーカル・トラックの比率を高めても良かったのでは、と思わされた。

彼女は旦那さんのJames Bernardとのユニットawakened soulsでも活動している模様。