2021年11月29日月曜日

メランコリック・ディスコ








 

【今日の一枚】












Fred again.. - Actual Life 2 (February 2 – October 15, 2021) [Again.. Records 2021]

凄腕プロデューサーとして名を馳せるFred again..ことFred John Philip Gibson。

今年の4月にリリースされた前作には大層衝撃を受けたものだけれど、なんと同じ年に続編をリリースしてくれるとは。

厳密にはソロ・デビュー作であった前作は2020年に制作されたもので、今作はタイトルにもある通り今年の2月から10月にかけてレコーディングが進められたようだ。

それにしてもこんなに濃密でハイレベルな音楽を立て続けに作れるその手腕に感服させられる。

極上メランコリック・ディスコ・ミュージック、どこまでも切なく儚げなエレクトロ・サウンド、最高過ぎる。









2021年11月22日月曜日

このひかり










 

【今日の一枚】













Stray Theories - This Light [n5MD 2021]

豪州出身で現在NZオークランドを拠点に活動するMicah Templeton-WolfeによるStray Theoriesのニュー・アルバム。

自らCinematic Ambient Electronicaを標榜する彼、ただひたすら美しいインスト作だ。

Dirk Wuestenhagenによるアートワークが実に音楽にフィットしている。

先行リリースされたM5「Empath」のみDestiny Templeton-Wolfeのヴォーカルがフィーチャーされているが、一曲だけでは勿体ないような。

いずれにしてもこのテの音だとEndless Melancholyと並び立って外れのないアーティストだと思う。











2021年11月15日月曜日

メランコリア










 


【今日の一枚】













Sóley - Mother Melancholia [Sóley 2021]

アイスランド・レイキャビクのSóley Stefánsdóttirによる新作アルバム。

もともと浮世離れした音楽性の作品をリリースしてきていたし、アートワークも時としておどろおどろしいという形容が似合うものも有ったけど、今回は完全に突き抜けてお化けになってしまった印象。

SNSで垣間見れる普段のリラックスした雰囲気との落差が愉しいし、個人的には今年のベスト・アルバム・ジャケット。

それにしてもつくづくExperimental Popとポスト・クラシカル、そしてゴスが絶妙なバランスで併存した音楽だと思う。

楽曲単位では先行シングルとなったオープニング・トラック「Sunrise Skulls」やM7「In Heaven」もイイがM2「Circles」が突出しているように感じられた。

エンディングをドローン・インスト「Elegia」で締めている趣向も粋。








2021年11月8日月曜日

エイダ










 

【今日の一枚】













Ada Lea - One Hand On The Steering Wheel The Other Sewing A Garden [Saddle Creek 2021]

数多の優れたSSWを輩出してきたカナダからまた一人その系譜に名を刻むアーティストが。

モントリオールを拠点に活動するAda LeaことAlexandra Levyによるセカンド・アルバム。

リリースはエモの総本山レーベルSaddle Creekより。

佳曲揃いの今作にあって独特の疾走感と浮遊感が同居するM4「Patner」とそれに続くリリカルなアコースティック・ギターにのせて紡がれるM5「Saltspring」あたりがハイライトのように思えるが噛み締めるように歌われるオープニング・トラックの「Damn」、そしてラスト・トラック「Hurt」も中毒性が高い。

奇しくもレーベル・メイトで同じカナダ出身のElizabeth Powell率いるLand of Talkも新作アルバムが間近との事でこちらも楽しみ。







2021年11月1日月曜日

カルロス









 

【今日の一枚】













Helado Negro - Far In [4AD 2021]

エラード・ネグロことRoberto Carlos Langeの2年振り8枚目のソロ・アルバム。

Scott HerrenのSavath & Savalasへの参加やJulianna Barwickとのコラボレーションでも知られる彼、初期の作品はSufjan Stevens主宰のAsthmatic Kittyレーベルからリリースしていたがその後RVNG Intl.に所属、今作が4ADへの移籍第一弾となった。

もとは耽美派レーベルとして名高い4ADだが、レーベル・カラーがぐっと多様化した昨今を想うと彼のようなアーティストにはうってつけのように感じられた。

エクアドル移民のルーツを持つエラード・ネグロ、楽曲によって英語とスペイン語を使い分けているが全然違和感は感じられず、作品の統一感は損なわれていない。

先行リリースされたM2「Gemini and Leo」の飛びぬけたポップネスが痛快だし、ディープなサウンドのM10「Brown Fluorescence」も印象深いが、彼の美声が堪能出来るアコースティックなM11「Wind Conversations」に特に心奪われた。