2021年5月31日月曜日

扇情的















【今日の一枚】













 Erika De Casier - Sensational [4AD 2021]

デンマークのコペンハーゲンを拠点に活動するエリカ・ド・カシエール、2019年のデビュー作「Essentials」に続くセカンド・アルバムは4ADレーベル移籍第一弾となった。

セルフ・リリースだった前作に比べると、微かに感じられた猥雑さみたいなものが後退して、ちょっと洗練され過ぎたプロダクションになったようにも思えたが、繰り返し聴き込むうちにコレはコレでありのようにも思えてきた。

ただ、今後まだまだ表現者としての伸びしろは残しているようにも思える。

オープニング・トラックの「Drama」やM12「Busy」で聴かれるギター・アルペジオの旋律も印象的だが個人的にはラスト・トラックの「Call Me Anytime」のミニマルかつ幻想的なムードに心奪われた。








2021年5月24日月曜日

八十八











 


【今日の一枚】













Akira Kosemura - 88 Keys [Schole Records 2021]

小瀬村晶によるニュー・アルバムはコロナ禍の真っ只中の去年、自身のプライベート・スタジオにおいて制作が進められ完成に至ったようだ。

昨今は映画音楽やTVドラマ、ゲームへの楽曲提供などかなり幅広い分野で活動してきた彼、激変する環境のなかで自身と向き合い、生み出された静謐で美しいピアノ・ソロ作品に仕上がっている。

リリースは自身の主宰するSchole Recordsより。




2021年5月17日月曜日

贔屓















【今日の一枚】














Porter Robinson - Nurture [Mom + Pop 2021]

ノースカロライナ州チャペルヒル出身のDJ、Porter Weston Robinsonによる7年振りのセカンド・アルバム。

その間にも盟友Madeonとの「Shelter」プロジェクトや別名義Virtual Selfとしての活動、昨年5月にはオンライン・イベント「Secret Sky Set」を挙行し25万人ものオーディエンスが視聴したというのだから凄まじい行動力だ。

可憐なフィメイル・ヴォーカルがフィーチャーされた楽曲が並ぶが、ボーカロイドを使用していたり、自身のヴォーカルにピッチ・シフト処理をかけてフェミニンな声に加工したりしていると知って驚いた。

もともとは2020年にリリース予定だったのがコロナ禍もあって延期し、数曲を加えて今回の発表に至ったという経緯らしい。

秋には大々的にツアーを開始するようで、日本贔屓で知られる彼、来年には再来日もあるかも。







2021年5月10日月曜日

アゲイン

 













【今日の一枚】













Fred again.. - Actual Life (April 14 – December 17 2020) [Again.. Records 2021]

数々の大物アーティストとのコラボレーションで名高いFred again..ことFred John Philip Gibsonによるファースト・ソロ・アルバム。

これが正に絶品と呼べるエレクトロ・ポップ・アルバムに仕上がっている。

自身によるボーカルに加え多彩なゲスト陣を迎え、フィールド・サンプリングを自由自在にちりばめた万華鏡のような作品だ。

珠玉の楽曲が並ぶなかにあってもM6「Julia (Deep Diving)」やM12「Lydia (Please Make It Better)」辺りが突出して素晴らしい。

これは是非クラブフロアで大音量で聴いてみたいもの。