2011年9月29日木曜日

Enquête



【今日の一枚】



Little Dragon - Ritual Union [Peacefrog Records 2011]

無機質エロチシズム。



【今日の一冊】



田丸公美子 - シモネッタのデカメロン イタリア的恋愛のススメ [文春文庫]


 先ごろイタリアで行われたアンケート調査で、既婚女性がセックスしたいと思っている相手のトップに来たのは、驚くことに「息子の友人」であった。


どわはははは。

2011年9月28日水曜日

絶句



【今日の一枚】



Melissa Ferrick - Still Right Here [Mpress Records 2011]

躍動感の塊のようなギター・ストロークに痺れる。

【今日の一冊】



河合 香織 - 帰りたくない 少女沖縄連れ去り事件 [新潮文庫]



 刑務所に移送される直前、山田は手紙にこう書いてきた。
<めぐに、僕の残していった子供たちの面影を見てしまいました。
 めぐを産ませて知らん顔している野郎に僕自身を見ました。
 めぐを置いていってしまった女に僕自身を振り返りました。
 めぐには「親」が必要で、僕が代わりになろうとしました。でも、
 めぐに僕は「H」をしてしまったのです。もう「親」にもなれません>



言葉を、失ってしまう。

2011年9月24日土曜日

Summer Holiday 1991



【今日の一枚】



Neon Indian - Era Extrana [Transgressive 2011]

使われている機材とかは全然違うんだろうけど、俺が大学生の頃、つまりこのヒトが生まれた頃に、こういう音楽を聴いていた気がする。



【今日の一本】



キック・アス - Kick-Ass [2010]

キメ台詞が「児童虐待だぞ!」なんて素晴らしすぎる!

【今日の三冊】



塩野七生 - ローマ人の物語 ローマ世界の終焉 414243 [新潮文庫]


 燃え尽きはした。だがそれは、火炎によってではなかった。
 滅びはした。だが、阿鼻叫喚とともに、ではなかったのである。
 誰一人気付かないうちに、滅びたのであった。



…遂に読了。一生の内にあと何遍かは通読したいモンです。

2011年9月22日木曜日

ヂレンマ

【今日の一枚】



Falcon - Disappear [Fergusound 2011]

漂漂とした佇まいがなかなかイカすー。



【今日の一本】



僕が結婚を決めたワケ - The Dilemma [2011]

チト期待し過ぎてたか。

2011年9月16日金曜日

Unexpected



【今日の一枚】



Richmond Fontaine - The High Country [decor 2011]

まさに緩急自在、といった印象。



【今日の一本】



カラフル - Colorful [2010]

オヂさんは自分でも意外な位に心動かされてしまいました…。

2011年9月12日月曜日

Timeless



【今日の一枚】



Other Lives - Tamer Animals [TBD records 2011]

タイムレスな、魅力。



【今日の一冊】



井口 俊英 - 告白 [文春文庫]


「…まるで太平洋で小便をしているようなもんだな」
 さすがに私も自分の無力と得体の知れないブラックホールのような相場に意気消沈してしまった。同時にすでに27億ドルにもなってしまった空売りポジションが重くのしかかって唖然としてしまった。
 我々が無駄な売りを止めて暫くすると、相場はまたじりじりと上がりだした。
「余りにも思惑的だ。うちのショートが完全にバレているんですよ」
 心配そうな表情で水島が言った。
「そうだろうな。ということは、我々が買い戻すまでは下げないということか…」
 絶望的な敗北感が三人を包んだ。
 その日は三人で夕食をしたが、打ちひしがれて気息奄々、ほとんど誰も口をきく気力もなかった。ただ高杉が片手を拡げて「これだけやらんと勝てんわ」と言ったのには、私自身も考えていなかったことなので愕然とすると同時に恐ろしくなった。
 外観は大胆に見えても極めて繊細な神経を有する高杉がそんなことを考えるほど、この相場は我々を無節操にしてしまっていた。
 片手、即ち50憶ドル(7千億円:当時)という金額がどういうものか、冷静に考えられなくなっていた。



…それこそ生きた心地がしなかったでしょうなあ。

2011年9月9日金曜日

クレヨンねーちゃん



【今日の一冊】



Sister Crayon - Bellow [Manimal Vinyl 2011]

西海岸ドリーム・ポップの新星!





【今日の一冊】



秋尾沙戸子 - ワシントンハイツ GHQが東京に刻んだ戦後 [新潮文庫]


 「国家売春」プロジェクトが動き出したのは、早くも玉音放送の翌日、8月16日のことである。同じ日、顔を黒く塗った女性たちが「強姦疎開」のために上野駅から列車に乗っていた。政府は女性たちにモンペ姿になるように促し、「女性は米兵に笑顔を見せるな」という回覧板が隣組を通して回った。
 国務大臣だった近衛文麿が中心になって、日本政府をあげて慰安所が作られた。ただし、表向き政府が出資するわけにはゆかず、内務省から大蔵省を通じて日本勧業銀行が業者に5千万円(3千万円という説もある)を貸し付けた。大蔵省の主税局長は後の首相、池田隼人だった。
 東京では、警視庁が中心となって業者との懇談が始まっていた。被災し、渋谷の広尾小学校に移っていた警視庁保安課に、東京料理飲食業組合の役員たちが呼び出されこう告げられた。
 
<保障占領とはいいながら、戦後には略奪や暴動がつきもの、どんな事態が起こるかわからない。そこで4千万の大和撫子の純潔を守るための”防波堤”をつくることが、ぜひ必要である。そのためには芸娼妓・酌婦など商売女をかり集め、アメリカ兵のセックスの欲望を”組織的に解決”する慰安施設を作らねばならない>(『みんなは知らない国家売春命令』)

 その後、公然と慰安婦募集が行われている。銀座通りなどに看板を掲げて堂々と女性を集め始めたのだった。

 「新日本女性に告ぐ。戦後処理の国家的緊急施設の一端として進駐軍慰安の大事業に参加する新日本女性の率先的協力を求む

 「女事務員募集。年齢18歳から25歳まで。宿舎・被服・食料など全部支給」

 そのトリッキーな文言が、住居も食料もない女性たちを騙したといっても過言ではない。この募集広告を誤解して応募した素人も含め、集められた女性たちが慰安所第一号である大森の「小町園」に送り込まれたのは、8月26日、占領軍の最初の部隊が厚木に到着する二日前のことである。



学校では教えてくれない歴史、ですな…。

2011年9月5日月曜日

BoomBoomBoom

【今日の一枚】



Lo-Fi-Fnk - The Last Summer [Popfrenzy Records 2011]

エレポップの魅力のひとつに「馬鹿っぽさ」が挙げられると思うんだけど、その意味ではこのヒト達は一流に「馬鹿っぽい」。



【今日の一冊】



鈴木 大介 - 家のない少女たち 10代家出少女18人の壮絶な性と生 [宝島SUGOI文庫]


 会話の中に、ひたすら「ウザい」の言葉を重ねる遥馨を、単に堪え性のないわがままな性格と思う大人も多いだろう。児童養護施設で我慢を続ければ、また違う未来があったかもしれない。児童自立支援施設で頑張れば、母親との和解の道もあったかもしれない。国立の施設に移送されても、その先、指導を受けつつ見つかる未来があるかもしれない。
 だが彼女を見ていて思う。この子は一般人の一生分にも匹敵するような我慢を、もうすでにしてきてしまったのだ。
 僕は我慢というものは、池の水のようなものだと思っている。ゆっくり水が注ぎこまれる分には、地面に浸透して蒸発し、溢れることはない。大人になれば池そのものが、随分大きくなる。だけど一度いっぱいになってしまった我慢の池は、たとえ一滴の水でも加われば、堪えられずに溢れてしまう。そんなものじゃないか。
 物心のついた頃から、一般人では考えられない苦痛を押しつけられてきた遥馨の我慢の池は、もはや溢れてしまっている。もう、ちょっとの我慢もできない。ウザい、ウザい。もう誰もこれ以上私を否定するな!残った尊厳のかけらが、明日のこともわからない遥馨の逃走生活を支えていた。
 叶うなら、遥馨に生きたいように生きさせてやりたい。142センチで成長の止まってしまった小さな身体に、世の矛盾をいっぱいに溜め込んだ少女。誰がこの少女を「売春家出娘」と否定することができるのか。


想像を遙かに越える壮絶かつ過酷な現実の前に茫然とさせられる。

2011年9月2日金曜日



【今日の一枚】



チト地味すぎるんではないかとも思わされましたけど、これは所謂「噛めば噛むほど」の類ですな。

Fionn Regan - 100 Acres of Sycamore [Heavenly 2011]