2012年1月27日金曜日

破格



【今日の一枚】

Anthony Green - Beautiful Things [Photo Finish 2012]

広義のエモの括りに入る音楽なんだろうけど、このシンガーにはジャンルの枠を超えた破格の才能を感じる。


2012年1月24日火曜日

どっちやねん



【今日の一枚】



Ani DiFranco - Which Side Are You On [Righteous Babe 2012]

多作で知られる彼女にしては珍しく、4年のインターバルを経てリリースされたニュー・マテリアル。
相変わらず堂々たるオリジナリティ。

2012年1月18日水曜日

イヴォンヌのかほり



【今日の一枚】




Yvonne Lyon - More Than Mine [EmuBands 2011]

元音楽教師という異色のキャリアを持つスコティッシュ・フィメールSSW。
M6「Secrets」やM8「Hope」とか、ホント素晴らしい。



このPVは以前の作品に収録されているもの。

2012年1月13日金曜日

無頓着



【今日の一枚】



Peter And The Wolf - Easy Mountain [Wiskey and Apples 2011]

音も佇まいもどこかオフ・ビートな印象なんだけど、本当によく曲が書けていると思うし、もうちょっとプロモーションに力を入れればもっと注目されるんでは。
本人にその気が全く無さそうだけれど。

2012年1月7日土曜日

謹賀新年



皆様、あけましておめでとうございます。
本年も宜しくお願い致します。
Facebookもボチボチやっとりますのでお声掛けくださると嬉しいです。

【今日の一枚】



Lisa Hannigan - Passenger [Ato Records 2011]

年末年始は地元でこんなの聴いてしみじみしとりました。
全く奇を衒うこのない、どこまでも正攻法のアイリッシュ・フィメイルSSW。
Damien Rice作品の客演で有名だそうですが、今作はJoe Henryをプロデューサーに迎え、Ray LaMontagneとのデュエットも披露。



【今日の一冊】



佐野 眞一 - 巨怪伝 正力松太郎と影武者たちの一世紀 [文春文庫]


 正力の野望の炉心には、大衆の欲望がとりこまれつづけた。その炉心の容量を遥かにこえた欲望の吸引が、正力をメルトダウン寸前の原子炉同然の姿へと追い込んでいった。
 正力はいわば核燃料をとりこみすぎ、暴走するほかなかった原子炉のような男だった。欲望の自己増殖は、正力のなかで、いつしか欲望の自家中毒をひきおこしていた。それが正力の絶えざる飢餓感の根源的理由だった。
 刹那的な欲望と消費文明に狂奔した昭和という時代をとらえて、正力ほど卓抜した人物はいなかった。昭和という時代の基層に流れる大衆の情念と非合理的な精神をすくいとったという意味あいにおいて、正力はまさに稀代の興行師であり、昭和の化身的存在だった。
 しかしそれは同時に、正力を制御装置のない原子炉のような存在にかえていくプロセスでもあった。
 プロ野球、プロレス、プロゴルフ、Jリーグ、テレビ、そして原発。正力が手がけたこれらの事業は、正力の野心の大きさを示すように、昭和という時代を越え、平成の大衆の欲望をとらえる強烈な磁場として、いまなお増殖の放射をとめていない。正力はその強烈な放射線で大衆を被爆させながら、自らも己の野望の大きさに自己被爆していた。
 大衆の欲望を己自身の野望実現に重ねあわせた、その人並み外れた情念の核分裂が、正力の事業を膨張させ、肥大化させたことは事実だった。
 だが、正力個人は、自分が使った”影武者”たちの自足の境地にはついに達することなく終わった。大衆の欲望を事業化しつづけた正力は、その欲望が築きあげた正力神殿に隷属されるような一族支配と公私混同で晩節を怪我し、ひとり寂しく他界していった。
 近代日本を大衆社会に嚮導した最大の王はまた、死ぬまで欲望の業火に焼き尽くされた宿業と狂気の王だった。


現代日本に大きすぎるほどの足跡を残した巨魁にして巨怪。