2020年5月25日月曜日

いまのワタシ



【今日の一枚】



Charli XCX - How I'm Feeling Now [Atlantic 2020]

Charli XCXはかなりマメにSNSを更新するのでちょこちょこ見ていたけれど、新型コロナウイルスによる外出自粛のなか自宅で新作アルバムを本当に完成させてしまったのだから驚かされる。
それもいかにもベッドルームで作ったデモですよ、なんて雰囲気は全く感じさせない圧巻のクオリティ。
おそらくこのアルバムに収録されいるうちの幾つかは彼女のキャリアの代表曲に狩り得るポテンシャルを持っていると思う。
全く飾り気のない「素」の自分を曝け出しつつファンとインタラクティブにコミュニケーションしながら傑作をモノにしていく姿を目の当たりにして、正に今の時代を代表するポップ・スターの一人なのだと確信させられた次第。


2020年5月18日月曜日

ジャンルレス



【今日の一枚】



Purnamasi Yogamaya - Oh My Beloved [Purnamasi Yogamaya 2020]

もうかれこれ長い事なんちゃって音盤紹介ブログを書いてきたけど、リトアニアのアーティストを取り上げるのは初めて。
Purnamasi Yogamayaはプロジェクト・ネームで本名はEglė SirvydytėというフィメイルSSW、マルチ・プレイヤーの作品。
英語とリトアニア語に加えサンスクリット語でも歌っており、全く違和感なく曲調にフィットしている。
Apple Musicで再生すると「イージー・リスニング」と分類・表示されるがそっちには違和感が。
スムース・ジャズやアンビエント、スピリチュアルというのもピンと来ない。
かといってワールド・ミュージックやフォークに括るのも違うような気がする。
楽曲単位ではM3「Šventosios Upės (The Holy Rivers)」や↓のM5「Gopinath」が特に秀逸。



2020年5月12日火曜日

ギリギリ



【今日の一枚】



Kassa Overall - I Think I’m Good [Brownswood 2020]

シアトル出身で現在はブルックリンを拠点にするKassa Overallの2ndアルバム。
リリースはGilles Peterson主宰のBrownswoodレーベルより。
ジャズドラマーとしての経歴も華々しいもので、Arto Lindsayを始めとした大物アーティスト達の作品に参加、ライブでの競演を果たしてきているそう。
バックパック・ジャズ・プロデューサーを自称する彼だが、この作品を聴くにつけ、確かな演奏技術に裏打ちされつつも本当に自由奔放でエクスペリメンタルな音世界が展開されている。
アルバムのアートワークに使われているのは本人の幼少期の写真で、幼馴染で当時の同級生だったという現在のガールフレンドの勧めでチョイスされたのだとか。
この作品のリリースに先立って今年2月に来日公演が行われた模様。


2020年5月7日木曜日

合作



【今日の一枚】



Tom Misch & Yussef Dayes - What Kinda Music [Blue Note Records 2020]

サウス・ロンドンの音楽シーンがアツい、と言われて久しいけど、ここにまたそれを象徴するかのような作品が。
2018年の『Geography』で大きな成功をおさめたTom MischとYussef Kamaalとしての活動でも名高いドラマーYussef Dayesとの共同名義のアルバム。
ちょっとセッションしてみるか、という感じではなく、かなり作りこまれた、緊迫感を感じさせる仕上り。
ウタ入りとインストが入り混じる構成だが、違和感は全くなく、うまくバランスされている印象。
Alfa MistJordan Rakeiらとも浅からぬ交流があるそうだし、この動画なんか見るにつけ、また色んな形でのスリリングなコラボレーションが生まれてきそうな予感。
この作品のドキュメンタリー映像も観応えアリ。