2021年4月26日月曜日

巧者









 

【今日の一枚】














Xiu Xiu - Oh No [Polyvinyl 2021]

Jamie Stewart率いるXiu Xiuのニュー・アルバムは数々のミュージシャンをゲストに迎えたデュエット・アルバムとなった。

バンドは現在Angela Seoとのデュオの体制で定着しているようで、作曲も含めて共同で行われている模様。

以前の作品に比べると変態度が薄まって真っ当なインディ・シアトリカル・ポップに仕上がっており、Jamieのソング・ライティング巧者ぶりをしみじみ感じさせてくれる。

The CureのアルバムPornography収録曲「One Hundred Years」のカヴァーもイイ。











2021年4月19日月曜日

集合体















【今日の一枚】













Lost Girls - Menneskekollektivet [Smalltown Supersound 2021]

数々の先鋭的な作品をコンスタントにリリースしてきたJenny Hvalがマルチ・インストゥルメンタリストのHåvard VoldenとのデュオLost Girlsとしてアルバムをリリース。

長きにわたってコラボレーションしてきた彼等、2012年にはNude on Sandという名義のフリー・フォーム・フォーク・デュオとして作品を出した経緯も。

本作は40分強の標準的な収録時間ながら5曲で構成されており、タイトル・トラックのM1「Menneskekollektivet」から12分強と長尺の楽曲が並ぶ。

呪術的とも言えそうな不穏なトラックにJennyのスポークン・ワード・スタイルの狂気を孕んだヴォーカルが乗るが、どこか高揚感も感じさせる魔訶不思議な音世界が展開されている。

Menneskekollektivet はノルウェー語で「人間の集合体」の意だそう。






2021年4月12日月曜日

コドモ













 【今日の一枚】













Iglooghost - Lei Line Eon [Gloo 2021]

弱冠18歳でFlying Lotus主宰レーベルとBrainfeederと契約を果たし鳴り物入りでデビューを果たした英国人ビート・メイカーIglooghostによるニュー・アルバムは自身のレーベルGlooより。

先鋭的なサウンド、トリッキーなリズムに絡みつくかのような流麗ストリングスが実に美しい。

全編を覆うメランコリックなムードも素晴らしい。

先行リリース曲のM3「Sylph Fossil」からヴォーカルにLOLAをフィーチャーしたM4「Light Gutter」への流れが今作のハイライトか。

子供の声に聴こえるコーラスもふんだんに取り入れられているけど、本当にコドモが歌ってるんだろうか?





2021年4月5日月曜日

痛快


















 【今日の一枚】













tUnE-yArDs - sketchy. [4AD 2021]


Merrill GarbusのプロジェクトtUnE-yArDsの5thアルバム。

ベーシストNate Brennerとのデュオ編成は定着している模様。

のっけの「nowhere, man」からしていかにも彼等っぽいファンキー・チューンで思わず頬元が緩んでしまう。

一筋縄ではいかないトリッキーなサウンド・アプローチに意識が向かいがちになるが、今作を繰り返し聴いていくなかで、Merrillはメロディー・メイカーとしてもかなりレベルが高い事を再確認させられた気がする。

ラスト・トラックの「be not afraid」の最後の叫び声がなんとも痛快。