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【今日の一枚】
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Phoebe Bridgers - Punisher [Dead Oceans 2020]
コロナ禍のなかチケットを持っていて一番最初にキャンセルになったのが3月のThe NationalのZepp Diver City Tokyo公演で前座がPhoebe Bridgersという正に夢の競演だっただけに、それこそ痛恨の極みだったワケだけれど、そのPhoebeの3年ぶりの2ndアルバム。
その間も Julien BakerとLucy Dacusと共に結成したBoygeniusやConor OberstとのBetter Oblivion Community Centerとしての活動、去年の来日公演、そしてRyan Adamsに対するセクハラの告発に至るまで様々な話題を振りまいてくれており、全然久々な感じがしないというか。
それにしても期待通り過ぎる仕上がり、それもまだまだ伸びしろを感じさせてくれるというか、今後の活動のなかで歴史に残る傑作を生みだしてくれそうな予感さえしてしまう。
疾走感溢れるメロディが鮮烈な印象を与えてくれるM6「Chinese Satellite」から噛み締めるように歌われるM7「Moon Song」への流れも素晴らしいが、ラスト・トラック「I Know The End」の大団円にはそれこそカタルシスを感じさせられる。
インタビューなどを読むとユーモラスで聡明な彼女の側面が垣間見れて興味深いが、どこかすっ呆けた佇まいとクールな作風の落差がなんともイケている。