2026年2月19日木曜日

異質











 

【今週の一枚】














feeo - Goodness [AD 93 2025]

なんだかとても異質な感覚を覚えてしまった。

倫敦を拠点に活動するfeeoことTheodora Lairdによるデビュー・アルバム。

Nic Taskerが主宰するAD 93レーベルからリリースされた。

往年のサッド・コアやPortisheadに代表されるトリップ・ホップの系譜に連なるようにも感じられつつも、どこか逸脱しているように思えてならない。

フィールド・レコーディングや環境音を取り入れたダーク・アンビエント、ドローン・ノイズを駆使したサウンドは不穏な空気に纏われつつも、どこか癒しをも醸し出しつつ、宗教音楽をも連想させる。

全てのソング・ライティング、プロデュース、ミキシングそしてアートワークを自身が手掛け、マスタリングはNoel Summervilleが担当。

彼女の父は英国人俳優Trevor Lairdで、オープニング・トラックの「Days pt.1」と終盤の「Days pt.2」で実に深みのあるポエトリー・リーディングを披露している。

3曲目の「Requiem」は今作のハイライトと言える楽曲と言えるのではなかろうか。

ロレイン・ジェイムスとのコラボレーションを始め、活況を呈するロンドンのシーンにおいて存在感を放つ彼女の今後の躍進に注目したいトコロだ。








2026年2月13日金曜日

無限












 

【今週の一枚】














Big Thief - Double Infinity [4AD 2025]

もうこのヒト達はハズレを出しそうにないな。

そんな風にさえ感じさせられたBig Thiefによる6枚目のスタジオ・アルバム。

称賛を浴びた前作「Dragon New Warm Mountain I Believe In You」の続編にあたる位置づけだという今作、ベーシストにしてフォウンダー・メンバーであったMax Oleartchikが脱退、Adrianne Lenker、Buck Meek、James Krivcheniaのトリオとして初めての作品となった。

Adrianneが毎日作曲している楽曲のうち50曲から9曲が厳選され、マンハッタンの名門パワー・ステーション・スタジオで3週間にわたり毎日9時間のセッション形式でレコーディングが進められたそう。

ゲスト・ベーシストにはJoshua Crumblyが迎えられ、Hannah CohenやLaraaji等総勢10名の面々が客演している。

オープニング・トラックにしてリード・シングルとなった「Incomprehensible」からして掴みは完璧と言え、続く「Words」も感動的。

「Grandmother」はバンドの真骨頂ともいえるフォーキッシュ・ロックが堪能出来るし、続く「Happy With You」なぞは80年代ネオ・アコースティックの名曲と比肩するクオリティと言えるのでは。

まだまだ彼等の快進撃は続いていきそうだ。




2026年2月5日木曜日

repressive


















 【今週の一枚】














dodie - Not For Lack Of Trying  [Doddleoddle 2025]

UKエセックス出身のフィメイルSSW、DoddlことDorothy Miranda Clarkによる4年ぶりのセカンド・アルバム。

2007年7歳のときに初めて自身のYoutubeチャンネルを開設し配信をスタートしたというから、かなり早熟な少女だった彼女、2019年にはJacob CollierとのコラボレーションでBeatlesの「Here Comes the Sun」のカヴァーを披露、大いに注目を集めた模様。

2021年にデビュー・アルバム「Build a Problem」をリリースし好評を博したのち2023年には, Orla Gartland、Greta IsaacそしてMartin Luke BrownとバンドFizzを結成、アルバム「The Secret to Life」を発表している。

ジャズやクラシック、フォークの影響を感じさせるインディー・ポップのスタイルの彼女の音楽だが、先行配信された「I Feel Bad For You, Dave」はボサノバ風の軽妙な曲調が印象的だ。

今年発表されたブルーノートの『Re:imagined』シリーズの「チェット・ベイカー・リイマジンド」にも「Old Devil Moon」のカヴァーで参加、ジャズ・ファンの間でも注目を集めているそう。

様々な表情を見せる楽曲が並ぶ今作だが、彼女の歌唱スタイルは一貫して抑制的で、それがなんともセクシーに聴こえるのが実にクールだと思えた次第。