The Sea and CakeのSam Prekopによる5年振りの5thソロ作品。
アナログ・モジュラー・シンセとデジタル・シンセを駆使したインスト・アルバム。
ヴォーカルレスでありながらも詩情に溢れた仕上りとなっている。
ビート・プログラミングも実に大胆に取り入れられており、独特な躍動感が感じられる。
ミキシングはJohn McEntireが手掛け、マスタリングは12kレーベルの主宰者Taylor Deupreeが担当している。
アートワークの写真は自身が撮影したものだそう。
ほぼ週イチ音盤紹介。
【今日の一枚】
Kelly Lee Owens - Inner Song [Smalltown Supersound 2020]
ウェールズ出身、元看護士から転身したという異色の経歴の持ち主のテクノ・プロデューサーKelly Lee Owensの3年振りの2ndアルバム。
Radioheadが2007年作「Weird Fishes/Arpeggi」のカヴァー「Arpeggi」で幕を開ける本作、全10曲収録時間50分の作品だ。
これまでもJon HopkinsやJenny Hvalとのコラボで話題を呼んできた彼女、今作においては元The Velvet UndergroundのJohn Caleをゲスト・ヴォーカルに迎えている。
全編を通じ緊迫感あるサウンドが展開されているが、惜しむらくは彼女自身のヴォーカルが少々インパクト不足な部分。
先行シングルとしてリリースされた「Melt!」や「Jeanette」のスリリングなサウンドを聴くにつけ、自身の歌は控えめにインスト増やすか、複数のゲスト・ヴォーカルを迎えた方がもっと良い結果に繋がったのでは、なんて大きなお世話な感想を持った次第。