【今週の一枚】
Hania Rani - Ghosts [Gondwana 2023]
ポーランドのポストクラシカル・ピアニストHania Raniによる今年二枚目のアルバム・リリース。
前作「On Giacometti」は彫刻家アルベルト・ジャコメッティのドキュメンタリーのサウンドトラックであったが、今作は純粋に彼女のソロ作品となっている。
彼女自身のピアノが主体であったこれまでの作品に比して今回の「Ghosts」ではProphet '08というビンテージ・スタイルのアナログ・シンセサイザーを駆使し、新境地というべきサウンド・メイキングに成功している。
アルバムのリリースにあわせて発表された一時間半に及ぶワルシャワでのライブ・パフォーマンスは実に迫力ある映像だ。
M7「Whispering House」は彼女の音楽に大きな影響を与えたというアイスランドのOlafur Arnaldsと共演、今回の作品で最初に書かれたというM5「Dancing with Ghosts」はカナダのシンガーソングライターPatrick Watsonをフィーチャー、Portico QuartetのDuncan Bellamyも2曲にゲスト参加しており、これらのコラボレーターが作品の音に深みと厚みを与えているように思えた。
ちなみにこれまで彼女の名前を「ハニア」と読んでいたが、「ハニャ」と日本語表記されている事が多く、実際の発音はそれに近いのかも知れない。