走れジョリィ

【今日の一枚】



Jolie Holland - Wine Dark Sea [Anti 2014]

ネオ・アメリカーナという括りで言うと丁度今から10年くらい前にGilliann WelchやErin Mckeownなんかが次々と傑作を連発していて、元The Be Good Tanyasのこのヒトもソロ転向後の1stと2ndなんぞは驚く程にハイ・クオリティの作品でありました。
その後の幾つかの作品は「悪くはないけど…」という印象の拭えないものでありましたが、今作は本領発揮でしょう！
オーセンティックなトラディショナル・ミュージックをベースにしつつ、随所に狂気を孕ませる手腕は実に見事であります。
それにしても今年は中堅アーティストの復活作に良作が多い気がするなあ…。

逆様

【今日の一枚】



Conor Oberst - Upside Down Mountain [Nonsuch 2014]

相変わらずの美青年ぶりだけど、このヒトももう三十台半ばなんですな。
Nonsuchレーベルへの移籍第一弾となる今作、やっている事は初期から変わっていないものの、かなりこなれた印象がするというか、泥臭さと洗練が両立した音楽に仕上がっている。
かつてはそのアンバランスさが魅力だったりもしたワケだけれど、キャリアを重ねていくなかで頭のなかでイメージしているサウンドを実際の音に具現化出来るようになってきたといえるのかも知れない。
今までの彼の作品のなかで一番スキかも。

フンスイ

【今日の一枚】



tUnE-yArDs - Nikki Nack [4AD 2014]

西海岸オークランドのtUnE-yArDsことMerrill Garbusの3年ぶりの3rdアルバム。
毎度の事ながら、つくづく4ADというレーベルの懐の深さを実感させてくれる。
シングル・カットされた↓「Water Fountain」の破壊力に圧倒されるが、アルバム・トータルとしては前作に比べると、少々精彩を欠いている気もする。
これくらいで納まらず、またブッ飛んだのリリースしてくれることを期待しつつ。

十年毎

【今日の一枚】



Sarah McLachlan - Shine On [Verve 2014]

唐突ですが10年毎の一枚を挙げるとするならば個人的に00年代はAntony & the Johnsonsの「I Am a Bird Now」、80年代はSiouxsie & The Bansheesの「Peepshow」、70年代はLou Reedの「Berlin」、60年代はThe Doorsの「Light My Fire」であります。
で、90年代の一枚はこのヒトの3rdアルバム「Fumbling Towards Ecstasy」なんですが、続く4th「Surfacing」で違和感を感じ、2003年の「Afterglow」で完全に興味を失ってしまいました。
その間も映画の主題歌に取り上げられたり、バンクーバー・オリンピックのオープニングで歌ったり、と彼女は押しも押されぬ大物だったのは紛れもない事実ですが、ワタシにとってはセリーヌ・ディオンなんかと同列の存在になってしまっておりました。
で、今年になって古巣Nettwerkレーベルを離れVerveから移籍第一弾アルバムをリリースとの報に接し、あまり期待せずに聴いたところ、コレがなかなかの仕上がり。
もちろん全盛期の神がかったクオリティには及ぶべくもないですが、7曲目「Turn the Lights Down Low」なんぞは聴くたんびに涙目であります。
今作がこれまでのようにメジャーのフィールドで評価されるかどうかはワタクシにはワカりませんけれども、ワタシはコレ好きです。

Sugar Honey Iced Tea!

【今日の一枚】



G. Love and Special Sauce - Sugar [Brushfire Records 2014]

G. Love and Special Sauceがデビュー20周年にして8年ぶりにオリジナル・ラインナップで再結集、新作をリリースというニュースを目にしたトキには心踊らされたものの、「まー、とはいえそれなりの出来だろーなー」なんて決めつけていたのも正直なトコロでありますが、聴いて吃驚、こりゃ滅茶苦茶カッコエエやないですか。
全曲一緒に歌いたくなるほどに楽曲の粒が揃ってるし、とにかくバンドの演奏が冴えまくっててアルバム全編からこぼれんばかりのグルーヴを感じさせられます。
アートワークもイカすわ～。
現在ツアー中という彼等、10月には来日公演も予定されている模様。