2021年12月6日月曜日

人生インプロヴィゼーション
















【今日の一枚】
















シカゴを拠点に活動する気鋭のジャズ・ドラマーMakaya McCravenの新作アルバムは老舗Blue Noteレーベルへの移籍第一弾。
1953年から1969年にかけて録音されたBlue Noteの音源をサンプリングし、仲間のミュージシャンそして自らの演奏を被せて編集したリミックス・アルバムとなっている。
いわば架空のライブ・アルバムというべき体を為しているが、あたかもジャズ・クラブの喧騒と観客の息吹が伝わってくるかのような臨場感を醸し出している。
ヒップ・ホップにも大いに影響を受けているらしく、作品のそこかしこにヒップ・ホップ的なサウンド・アプローチが試みられているのも面白い。
名を成したジャズ・ドラマーを父に持ち、音楽のエリート教育を受け卓抜した演奏力を持つドラマーとして各地を股にかけ活躍する一方で、「録音・編集」に只ならぬ拘りを持ち作品に昇華させるその手腕は見事としか言いようがない。
往年のBlue Note作品を彷彿させるタイポグラフィのアートワークが素晴らしいが、配信で聴くとキャンパスに文字が徐々に並んでいく趣向が凝らされていて、これまた粋だ。