【今週の一枚】
Joanna Sternberg - I've Got Me [Fat Possum Records 2023]
Joanna Sternbergはマンハッタンを拠点に活動するフィメイルSSWにしてマルチ・インストゥルメンタリスト、ヴィジュアル・アーティストで今作がセカンド・アルバム。
2019年の1st「Then I Try Some More」は最初Conor OberstのレーベルTeam Love Recordsよりリリースされたが、Fat Possum Recordsより再発され、今作は同レーベルからのリリース。
オルタナ・カントリーというジャンルが定着してもう随分と時間が経っているし、Gillian Welchを筆頭に数多のアーティストが真正アメリカーナを手掛けた作品を世に問うてきているワケだけれど、このJoanna Sternbergはかなり強烈な個性を感じさせてくれる。
何十年も前に作られたフォーク・アルバムなんですよ、と言われて聴かされても信じてしまいそうな程にタイムレスな音楽性だ。
Rickie Lee Jonesを彷彿させるような歌声も印象的だが、その佇まいが天真爛漫で、その天然ぶりはどこかDaniel Johnstonあたりに通ずるトコロも。
Matt Sweeneyがプロデュースを手掛けた事でも話題を呼んだようだが、7曲目の「Stockholm Syndrome」が突出して素晴らしい。
何の変哲も無い、極めてシンプルな弾き語りの小品でありながら、こんなにも胸に響き渡る曲を作り出してくれた事に心から感謝したくなってしまう。