2023年9月19日火曜日

醍醐味










 

【今週の一枚】













James Blake - Playing Robots Into Heaven [Polydor 2023]

セルフ・タイトルの1stアルバムで鮮烈すぎるデビューを果たして12年、James Blakeが2年ぶりの6thアルバムをリリースした。

当初よりトラック・メイカーとして抜きんでた才能を遺憾なく発揮してきた彼だが、今作においては初期インディー時代を彷彿させるかのようなアンダーグラウンドなダンス・フロア寄りのサウンドにシフトしている印象で、それが好結果に繋がっていると感じられた。

今夏のソニックマニアで来日し、大阪では単独公演も敢行し、大いに好評を博した彼だが、2017年の東京国際フォーラムでのライブは個人的に今まで観てきたなかでも最も感動的なパフォーマンスの内のひとつに挙げられる。

ライブにおいても前衛的な電子音と繊細かつ流麗なメロディとの対比が彼の音楽の醍醐味と言えるだろうが、今回の作品においても絶妙なバランスで混交している。

アルバム随所に聴きドコロが散りばめられた作品だが、エンディングのタイトル・トラックの素朴な調べが、何故かやたらに強く心に残る。