2025年4月14日月曜日

代償














 

【今週の一枚】













Dean Wareham - That's the Price of Loving Me [Carpark 2025]

80年代末期から90年代初頭にかけて3枚のアルバムを残し、今なお米インディー・ロック界の伝説的存在として語り継がれるGalaxie 500。

そのフロントマンだったDean Warehamはバンド解散後もLunaや妻とのユニットDean & Brittaで活動を続けてきたワケだが、今回はソロ名義でのアルバムをリリースの運びとなった。

ソロでのアルバムは今回が初めてではないが、今作が大いに話題を呼んでいるのは全てのGalaxie 500作品を手掛けた重鎮Kramerが34年ぶりに全面的に作品に携わっている事実が故だろう。

ヴェルヴェッツのNicoやRed KrayolaのMayo Thompsonのカバー2曲を含む全10曲37分の収録時間の今回のアルバム、彼の長いミュージシャンとしての活動期間が充実したものであったであろう事をしみじみと実感させてくれる。

これまでの作品のなかで最もGalaxie 500っぽいサウンド、みたいな表現も目にしたが、あまりそういう印象はせず、リラックスしたムードに覆われつつも、決して弛緩することはない非常に良質なシンガーソングライター作品の様に感じられた。

レコーディングはLAのイーグルロックのスタジオでわずか6日間という期間で行われたそうだが、本当に味わい深い充実作だと言えるだろう。

なんだか聴く度にそこはかとない多幸感に包まれてしまうが、本当に良い年の取り方をされているなあ、とほっこり。