2025年11月17日月曜日

ひかり











 【今週の一枚】














Rosalía - LUX [Columbia 2025]

もし今年発表されたアルバムで自分が聴いたなかで一枚だけ挙げるとしたら間違いなくこの作品を選ぶ、そう確信させられた。

バルセロナの歌姫Rosalíaの3年ぶりの4thアルバム。

前作「MOTOMAMI」がかなり攻めた内容だったのに比して今回はかなりオーセンティックな路線に回帰している印象(とはいえ十分攻めているとも言えるが)。

先行リリースされた「Berghain」を聴いてその壮大なオーケストレーションを施したアレンジに度肝を抜かれ、大いに期待していた今作、その期待を遥かに超えていた、というのが正直な感想だ。

アート・ポップ、クラシカル・クロスオーバー、フラメンコ・ポップ、オーケストラル・ポップと様々な形でカテゴライズされる彼女の音楽だが、今回の作品はそれらの音楽的要素が絶妙な統一感を持って一枚の芸術作品に昇華されている。

既にグラミー賞を受賞し、これまでの活動で世界的な名声を獲得している彼女、この「LUX」で創造性の高みに達し、ケイト・ブッシュやビヨーク(今作にゲスト参加)の系譜に連なる、歴史にその名を刻む女性アーティストである事を証明したとは言えまいか。

所謂捨て曲はひとつもない今作にあっても2曲目の「Reliquia」には特に感銘を受けた次第。

因みにタイトルの「LUX」はラテン語で光を意味するんだそう。