おてもやん、良かったです。
【今日の一枚】
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School of Seven Bells - Disconnect From Desire [Vagrant Records 2010]
もうちょっと羽目を外してくれたほうがヨカったかも。
【今日の一冊】
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山崎朋子 - サンダカン八番娼館 [文春文庫]
からゆきさんにかぎらず売春婦についての研究というと、多くの場合、その悲惨な境遇の報告とそれにたいする研究者の同情のみが強調されて、<彼女らの人間的価値>については全く切り捨てられていたと言える。むろん、売春婦研究の目的は、つまるところ売春の社会的根絶にあるのであって、彼女らの人格評価にあるわけではないから、なかば必然的に売春生活の悲惨なありさまの報告とそれへの同情に傾くのであろう。けれども、からゆきさんをはじめ多種多様な売春婦たちのなかには、肉体を売って生きなければならないという同一の条件のもとで、絶望して自堕落になって行く人がある一方、どん底の汚濁を見極めたまさにそのことに学んで人格的に円熟し、思想的・哲学的な深みにまで達する人もあるのだ。そしてこのことは、従来の売春婦研究から漏れていることであればあるほど、みずからの春を鬻(ひさ)がずしては生活できなかった底辺女性の名誉のために、わたしはここに明記しておかなければならないと信ずるのである。
娘が中学生になったら是非読ませよう。