2010年12月22日水曜日

Fresh Feeling

【今日の一枚】



Momus - Hypnoprism [Analogue Baroque 2010]

いまは大阪に住んどるんかいな。

【今日の一冊】



森 功 - 同和と銀行 三菱東京UFJ“汚れ役”の黒い回顧録 [講談社プラスアルファ文庫]

 金融の世界を知らない小西は、素直に銀行員の話を聞き、それを実行したにすぎないのかもしれない。小西の行動を見る限り、行政や政治への対応についても似たようなことがいえそうだ。
 大阪市の駐車場のアガリにしろ、学校と銀行の取引の仲介にしろ、不動産絡みの迂回融資や裏金づくりにしろ、振り返ってみれば、事業の主体は小西邦彦ではない。それは行政であり、金融機関であり、不動産業者である。とうぜん、そこには利権が発生し、小西はその大きな分け前にあずかる。そんな構図のなかで、お互いがいい思いをしてきたのだろう。
 問題は、そうしたビジネス行為において、反社会的な暴力団や非合法組織に資金が流れていることではないだろうか。銀行からの転貸しや迂回融資がまさにそれにあたる。小西は、その役割を担っていたからこそ、糾弾されたのである。しかし、その意味では銀行も同罪である。というより、ある意味金融の知識のない無垢だった小西を引きずり込んだともいえるのである。



途轍もなくヘヴィーな題材のはずなのに、この爽快な読後感は如何に。