2011年10月22日土曜日

豪華絢爛



【今日の一枚】




Ryan Adams - Ashes and Fire [PAX AM 2011]

バンド・スタイルも悪かないけど、このヒトは断然こういうアコースティック・ソロ路線のほうが真価が発揮できているように思えるのぢゃが…。


【今日の一冊】




鹿島 茂 - ナポレオン フーシェ タレーラン 情念戦争1789―1815 [講談社学術文庫]



 ここで一つ興味深いのは、タレーランもフーシェも、これだけ深くクーデタに関与して、バラスという神輿を担ぎながら、自分自身がその神輿になろうとはいささかも思わなかったことである。つまり、二人とも、まともな道徳感覚はもちあわせていない悪魔のような能吏だが、能吏たることをやめて親分になろうとは毫も思わなかったのである。彼らはすでに自分の才能のありどころ、すなわち情念のありようをよく知っていたのだ。
 天性の陰謀家であるフーシェは、もし自分が支配者になったりしたら、陰謀情念の使い道がなくなることをわきまえている。移り気情念のタレーランも、自分が主人になってしまったら、仕えるべき主人を次々と変えて変節することができなくなるのを恐れている。ようするに、二人とも大将型ではなく、むしろ参謀型、ひとことでいえば第一流の二流人間なのである。




当たり前といえば当たり前なのだけど、ローマ帝国のルビコン前後や三国志時代、幕末~維新期、そしてこのフランス革命からナポレオン帝政といった、所謂世界史のハイライトと呼べる時代を彩るキャスト達の豪華絢爛さと言ったらないよね。