【今週の一枚】
Colleen - Le jour et la nuit du réel [Thrill Jockey 2023]
Colleenはフランス人のマルチ・インストゥルメンタリストCécile Schottによるソロ・プロジェクトで2003年以来7枚のアルバムをリリースしており、今作が8枚目の作品。
ヴォーカリストでもある彼女だが、今作は完全なインスト・アルバムで、2007年のLes ondes silencieuses以来の試みとなった。
この作品が特徴的なのはモノフォニック・セミモジュラー・シンセのMoog GrandmotherにRoland RE-201 Space EchoとMoogerfooger Analog Delayの2つのディレイを組み合わせ鳴らされた音だけで構成されている事で、PCのデジタル・エフェクトは一切施されていない事だ。
当初は唄入りの作品を作るつもりで制作が始まられたようだが、余程この機材の織り成すサウンドに惹きこまれたのか、結果的に7つの組曲で構成された21曲の楽曲集に仕上がった。
文字で書くといかにも退屈な音が想像されてしまいそうだが、これがなんとも中毒性の高いトリッピーかつトランシーな仕上がりの作品となっている。
タイトルは仏語で「現実の昼と夜」の意味だそうだ。