【今週の一枚】
1010Benja - Ten Total [Three Six Zero Recordings 2024]
1010BenjaはKansas Cityをベースに活動するBenjamin Lymanによるソロ・プロジェクトで今作がデビュー・アルバム。
2018年にリリースしたEP「Wind up Space」で大きな注目を集めたようだが、それから6年の月日を経て今作の完成に漕ぎ付けた模様。
オープニング・トラック「Looking Out」の壮大なオーケストレーション・サウンドにのっけから衝撃を受けるが、それに絡んでいくBenjaminのヴォイス・パフォーマンスが途轍もなくクールだ。
続く「Peacekeeper」は先行シングルとしてカットされ、怒涛のラップに圧倒される。
作品全体を通じてサウンド・コラージュのセンスがズバ抜けている印象だが、ソウル・ミュージックとしての完成度の高さも際立っているように感じる。
ヒップ・ホップの文脈で言っても大概のスタイルが出尽くしているように感じていたが、今作には並々ならぬ革新性を感じた次第だ。
全10曲、収録時間は30分強と短尺ながら、非常に濃密な音楽体験が出来る一枚と言えるのでは。